抗血栓療法中の区域麻酔・神経ブロックガイドライン

4. 周術期の抗血栓療法ガイドライン

ワルファリン

  • 一時休薬が必要な場合:5日前に中止
  • 小手術
    • 歯科小手術:経口止血薬を併用した上でワルファリン継続 or 手術2〜3日前に中止
    • 皮膚科小手術:投与継続
    • 眼科白内障手術:投与継続
    • 虚血性心疾患予防
      • アスピリン併用中
        • アスピリンを継続

抗血小板薬

  • 心血管系イベントリスクが中等度〜高度・アスピリンを内服中
    • 非心臓手術を受ける場合:アスピリン継続
  • 心血管系イベントの発生リスクが低い
    • アスピリン:7〜10日前に中止
  • 冠動脈バイパス手術
    • アスピリン:継続
    • DAPT
      • アスピリン:継続
      • P2Y 受容体拮抗薬:手術5日前に中止
    • 冠動脈ステント留置+DAPT
      • 手術予定
        • ベアメタルステント:ステント挿入から6週間は手術延期
        • 薬剤溶出性ステント:6ヶ月手術を延期
      • 抗血小板薬:継続

5. ガイドラインにおける抗血栓薬取り扱いの問題点と考えかた

抗血小板薬

  • アスピリン、チクロピジン、クロピドグレル、プラスグレル、イコサペント酸エチル
    • 休薬期間7〜10日間が望ましい
    • 脳梗塞や虚血性心疾患の二次予防目的に投与されており、休薬による血栓性リスクが高い患者の場合:5日間も許容されるかもしれない

抗血小板作用を持つ薬物

NSAIDs、ホスホジエステラーゼ阻害薬、抗うつ薬など
  • 薬物動態に応じた休薬期間を設ける

ハーブ類(ニンニク・イチョウ葉・チョウセンニンジン)

高リスク群の手技を施行する場合
  • にんにく:7日
  • イチョウ葉:2日
  • チョウセンニンジン:1日

高リスク群の手技を施行する場合

  • 未分画ヘパリン:4時間(静脈内投与)、8〜10時間(皮下投与)
  • エノキサバン:12時間
  • フォンダパリヌス:4日間
  • ワルファリン:5日間
  • ダビガトラン:4〜5日間
  • リバロキサバン:2日間
  • アピキサバン:3日間
  • エドキサバン:2日間