薬剤性 QT 延長

(工事中)

添付文書に記載がある薬剤

Database

二次性 QT 延長症候群

「遺伝性不整脈の診療に関するガイドライン(2017 年改訂版)」、2022年2月7日更新

定義

先天的な原因とは別に、各種薬物、電解質異常、徐脈、種々の病態などが原因で、二次的に QT 延長が起こり、まれに torsade de pointed (TdP) まで発生することがある。これらを、二次性 QT 延長症候群 (secondary ling QT syndrome, 二次性 LQTS)と総称する。

原因薬剤のリスト

Credible Meds(要登録)

疫学

発生率

抗不整脈薬服用による TdP の発生確率:2.0 ~ 8.8%
抗不整脈薬以外の薬物による QT 延長の発生率は年間 1 人 /1 万~ 10 万人

年齢

中高齢者が多い
向精神薬服用中の QT 延長を起こす確率は、65歳以上では、65歳未満の3.2倍

性差

女性に多い

家族歴

家族歴を認めない孤発例が多い

予後

原因となる因子を除去できれば良好な予後が期待できると考えられるが,相反するデータも存在する

薬剤性 LQTS

薬物の高用量や高血中濃度が原因となるが、必ずしも用量や血中濃度のみで規定されない。
増悪因子:女性徐脈電解質異常(低 K 血症、低 Mg 血症)心不全心房細動から洞調律に復した直後などが増悪因子となる
薬剤への曝露により、ベースラインよりQT間隔が60 msec以上延長する場合は TdP を起こす可能性があるとされる
併用薬との相互作用により QT 延長をきたすこともある
  • QT 延長をきたす薬物の併用
  • 薬物動態学的相互作用
  • 低 K 血症を惹起する薬物(ループ利尿薬やサイアザイド系利尿薬,甘草など)との併用
    • 他に、食事の摂取量 減少や下痢などによる K 摂取不足あるいは喪失などをきたすような生活状況の変化や事象を確認
  • 徐脈をきたす薬物( β 遮断薬,Ca 拮抗薬,ジギタリス薬など)との併用