嚥下機能低下
副作用の機序
薬理作用の延長上として起こる可能性がある
筋弛緩作用
筋弛緩作用がある薬剤は、筋力低下を引き起こし、嚥下筋群に影響する可能性がある。
- 112催眠鎮静剤,抗不安剤
- ベンゾジアゼピン系薬剤
- 122骨格筋弛緩剤
錐体外路症状
- 定型抗精神病薬はドパミンD2受容体拮抗作用を持ち、錐体外路症状を引き起こす可能性がある。運動機能の障害は、食行動の妨げになり、嚥下機能低下につながる可能性がある。
中枢抑制作用
- 麻薬性鎮痛薬など、中枢抑制から嚥下機能低下につながる可能性がある。
口渇作用
- 抗コリン作用を持つ薬の副作用として、唾液分泌減少に伴う口渇がある。
特有の副作用として起こる可能性がある
筋萎縮
- 副腎皮質ステロイド薬の、高用量・長期間の服用は、筋萎縮(ステロイドミオパチー)を引き起こす可能性がある。
栄養障害
- 制酸薬・消化管運動改善薬
- 胃酸分泌抑制から、栄養吸収障害をきたし、筋力低下につながる可能性がある。
ガイドラインにおける記載
各ガイドラインでは、薬剤のリスクについて、どのような記載がされているのか
詳細は各ガイドラインを参照
「高齢者の安全な薬物治療ガイドライン2015」
「高齢者に有用性が示唆される我が国の医療用漢方製剤のリスト」解説
(2)半夏厚朴湯
・・誤嚥性肺炎の既往を持つ患者における半夏厚朴湯の嚥下反射に対する影響を RCT で見たところ、有意に嚥下反射を改善した。・・
嚥下障害診療ガイドライン2018年版(旧版)
CQ9 嚥下障害に薬物治療は有効か?
推奨:嚥下障害に対する薬物治療は、パーキンソン病などの原因疾患に対する治療と、嚥下反射の改善などを目的とした病態に対する治療が報告されているが、その有用性に関して確実性の高いエビデンスはない。治療の選択肢として検討してもよいが、今後の臨床研究による検証が求められる。
2024年版がでている
原因薬剤
「多職種連携推進のための在宅患者訪問薬剤管理指導ガイド」に記載されている原因薬剤一覧
○ 銘柄名ごと
嚥下機能低下に影響する薬剤一覧/銘柄名ごと2024/12/25 0:172024/12/25 0:18○ 一般名ごと
関連)