在宅自己注射 対象薬剤追加審議(R6.11.13)
中央社会保険医療協議会 総会(第598回)
1.メコバラミン
1.メコバラミン
【販売名】
ロゼバラミン筋注用25㎎
【効能・効果】
筋萎縮性側索硬化症(ALS)における機能障害の進行抑制
【用法・用量】
通常、成人には、メコバラミンとして50mgを1日1回、週2回、筋肉内に注射する。
【薬理作用】
ALSに対する作用機序の詳細は解明されていない。メコバラミンは、活性型
ビタミンB12であり、ホモシステインからメチオニンを合成するメチオニン合成酵素の補酵素として働く。ホモシステインは神経変性に関わると考えられており、メコバラミンは、ホモシステインによる神経変性を抑制すると考えられる。
また、メチオニンとアデノシンの縮合によりS-アデノシルメチオニン(SA
M)が生成し、タンパク質のダメージの修復時にメチル基供与体として働く。メコバラミンは、SAMを介して神経変性を修復すると考えられる。
【主な副作用】
白血球数増加、注射部位反応、発疹、頭痛、発熱感、発汗 等
【必要な在宅療養指導管理材料加算】
注入器加算、注入器用注射針加算。
【承認状況】
令和6年9月 薬事承認
2.乾燥濃縮人プロテインC
2.乾燥濃縮人プロテインC
【販売名】
セプーロチン静注用1000単位
【効能・効果】
先天性プロテインC欠乏症に起因する次の疾患の治療及び血栓形成傾向の抑制
○ 静脈血栓塞栓症
○ 電撃性紫斑病
【用法・用量】
本剤を添付の注射用水全量で溶解し、緩徐に静脈内に投与する。
〈急性期治療及び血栓形成傾向の抑制における短期補充(周術期、抗凝固療法開始時等)〉
通常、初回は100~120国際単位/kgを、次回以降3回は60~80国際単位/kgを6時間毎に投与し、その後は45~60国際単位/kgを6時間又は12時間毎に投与する。なお、患者の状態に応じて、投与量及び投与頻度を適宜増減する。
〈血栓形成傾向の抑制における長期補充〉
通常、45~60国際単位/kgを12時間毎に投与するが、短期補充に用いる用法及
び用量から開始することもできる。なお、患者の状態に応じて、投与量及び投与頻度を適宜増減する。
【薬理作用】
本剤の有効成分であるプロテインCはビタミンK依存性の抗凝固因子であり、
主に肝臓で合成され、血漿中では不活性なセリンプロテアーゼ前駆体として循環する。プロテインCは血管内皮細胞膜上でトロンビン/トロンボモジュリン複合体により活性化され、抗凝固作用を有する活性化プロテインC(APC)に変換される。APCは補酵素であるプロテインSの存在下で活性化第Ⅴ因子(Ⅴa)及び活性化第Ⅷ因子(Ⅷa)を選択的に不活化し、凝固促進因子であるトロンビンの生成を抑制することにより抗凝固作用を示す。また、APCはプラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1に結合し、組織型プラスミノーゲンアクチベーターの活性を促進することにより、間接的な線溶促進作用を示す。さらに、Ⅴa及びⅧaの不活化によるトロンビン生成抑制により、トロンビン活性化線溶阻害因子の活性が抑制され、線溶促進作用をもたらす。
【主な副作用】
そう痒、発疹、発熱、めまい、多汗症、注射部位反応、落ち着きのなさ 等
【必要な在宅療養指導管理材料加算】
注入器用注射針加算。
【承認状況】
令和6年3月 薬事承認