患者指導のポイント/注射のタイミング
インスリン製剤
超超速効型インスリン
追加分泌に相当。現在、ルムジェブ(R) とフィアスプ (R) の2種類がある。それぞれ、インスリン リスプロ、インスリン アスパルトに添加物を加えることで、効果発現が早くなるように工夫されている。
従来の製剤は非糖尿病患者の生理的な追加分泌パターンと比べて遅いため、インスリンと比較してに投与だったが、「食直前(通常食事の15分前以内)」であった。そのため、食事の15分前に投与した場合、例えば、投与したが食欲がなく食事をとってもらえない場合や投与後に食事を忘れた場合など、低血糖のリスクがあった。
効果発現が早くなるように開発された超超速効型インスリンは、食事開始時の投与が可能になった。
- 投与タイミング:食事開始時2分以内
- 必要な場合は食事開始前に投与することもできる(食事開始から20分以内)
インスリン リスプロ(遺伝子組換え) ルムジェブ
インスリン アスパルト(遺伝子組換え) フィアスプ
超速効型インスリン
追加分泌に相当する。
- 投与タイミング:毎食直前
インスリン リスプロ(遺伝子組換え) ヒューマログ
インスリン アスパルト(遺伝子組換え) ノボラピッド
インスリン グルリジン(遺伝子組換え) アピドラ
速効型インスリン(レギュラーインスリン, R)
- 投与タイミング:毎食前
インスリン ヒト(遺伝子組換え) ヒューマリンR
インスリン ヒト(遺伝子組換え) ノボリンR
中間型インスリン
- 投与タイミング:朝食前30分以内
- ヒューマリンN:朝食前30分以内
- ノボリンN:朝食前30分以内
インスリン ヒト(遺伝子組換え) ヒューマリンN
インスリン ヒト(遺伝子組換え) ノボリンN
混合型インスリン
超速効型と中間型の混合
- 投与タイミング:食直前(1日2回投与の場合は朝食前と夕食前30分以内、1日1回投与の場合は朝食前)
- ヒューマログミックス:朝食直前と夕食直前(1日1回の場合は朝食直前)
- ノボラピッド:朝食直前と夕食直前(1日1回の場合は朝食直前)
- インスリン リスプロ(遺伝子組換え) ヒューマログミックス
- インスリン アスパルト(遺伝子組換え) ノボラピッド
速効型と中間型の混合
- 投与タイミング:食前30分以内
- ヒューマリン3/7:朝食前と夕食前30分以内
- ノボリン30R:朝食前と夕食前30分以内
- インスリン ヒト(遺伝子組換え) ヒューマリン3/7
- インスリン ヒト(遺伝子組換え) ノボリン30R
持効型溶解インスリン
- 投与タイミング:毎日一定時間
- ランタス:注射時刻は朝食前又は就寝前のいずれでもよいが、毎日一定とする
- ランタスXR:注射時刻は毎日一定とする
- レベミル:注射時刻は夕食前又は就寝前のいずれでもよいが、毎日一定とする。他のインスリン製剤との併用において、投与回数を1日2回にする場合は朝食前及び夕食前、又は朝食前及び就寝前に投与する。
- トレシーバ:注射時刻は原則として毎日一定とするが、必要な場合は注射時刻を変更できる
インスリン グラルギン(遺伝子組換え) ランタス
インスリン グラルギン(遺伝子組換え) ランタスXR
インスリン デテミル(遺伝子組換え) レベミル
インスリン デグルデク(遺伝子組換え) トレシーバ
週1回持続型インスリン
- 投与タイミング:
- アウィクリ:同一曜日(一定曜日・一定時刻)
- 7.7 本剤は週1回投与する薬剤であり、同一曜日に投与させること。やむを得ず週1回投与の曜日を変更する必要がある場合は、投与間隔を4日間以上とし、血糖モニタリングを十分に行うこと。
- 7.8 投与を忘れた場合は、気づいた時点で直ちに投与し、次の投与は4日間以上の間隔をあけて開始すること。その後は、新たな開始日と同一曜日に週1回投与し、血糖モニタリングを十分に行うこと。
配合剤
- 投与タイミング:
- ゾルトファイ:注射時刻は原則として毎日一定とする。
- 7.4 投与を忘れた場合には、本剤の作用持続時間等の特徴から気づいた時点で直ちに投与できるが、その次の投与は8時間以上あけてから行い、その後は通常の注射時刻に投与するよう指導すること。
- ソリクア:1日1回朝食前
GLP-1 受容体作動薬
- 投与タイミング:
- ビクトーザ:1日1回朝又は夕
- 7.1 本剤は、1日1回朝又は夕に投与するが、投与は可能な限り同じ時刻に行うこと。
- バイエッタ:1日2回朝夕食前
- 7.1 本剤の投与は原則として朝夕食前60分以内に行い、食後の投与は行わないこと。
- トルリシティ:週1日
- 7.1 本剤は週1回投与する薬剤であり、同一曜日に投与させること。
- 7.2 投与を忘れた場合は、次回投与までの期間が3日間(72時間)以上であれば、気づいた時点で直ちに投与し、その後はあらかじめ定めた曜日に投与すること。次回投与までの期間が3日間(72時間)未満であれば投与せず、次のあらかじめ定めた曜日に投与すること。なお、週1回投与の曜日を変更する必要がある場合は、前回投与から少なくとも3日間(72時間)以上間隔を空けること。
- オゼンピック:週1回
- 7.1 本剤は週1回投与する薬剤であり、同一曜日に投与させること。
- 7.2 投与を忘れた場合は、次回投与までの期間が2日間(48時間)以上であれば、気づいた時点で直ちに投与し、その後はあらかじめ定めた曜日に投与すること。次回投与までの期間が2日間(48時間)未満であれば投与せず、次のあらかじめ定めた曜日に投与すること。なお、週1回投与の定めた曜日を変更する必要がある場合は、前回投与から少なくとも2日間(48時間)以上間隔を空けること。
リラグルチド(遺伝子組換え) ビクトーザ皮下注
エキセナチド バイエッタ皮下注
デュラグルチド(遺伝子組換え) トルリシティ皮下注
セマグルチド(遺伝子組換え) オゼンピック皮下注
GIP/GLP-1 受容体作動薬
- 投与タイミング:同一曜日
- マンジャロ:週1回
- 7.1 本剤は週1回投与する薬剤であり、同一曜日に投与させること。
- 7.2 投与を忘れた場合は、次回投与までの期間が3日間(72時間)以上であれば、気づいた時点で直ちに投与し、その後はあらかじめ定めた曜日に投与すること。次回投与までの期間が3日間(72時間)未満であれば投与せず、次のあらかじめ定めた曜日に投与すること。なお、週1回投与の曜日を変更する必要がある場合は、前回投与から少なくとも3日間(72時間)以上間隔を空けること。
チルゼパチド マンジャロ