患者指導のポイント/保管管理
不適切な管理
高温環境下
高温環境下では、ゲル化や懸濁液の濁度減少などの変化が起こるため、高温環境下に放置しないことが不可欠である。
どのくらいの時間放置するといけないのか、どんな変化が起こるのか
事例)朝から受診し、帰宅するまでに自動車の助手席にインスリン製剤を放置したところ、外観変化・インスリン活性低下が見られた
2007年8月5日(日中最高気温34.3℃)午前9時に調剤を受け、18時まで営業車の助手席上にインスリン製剤を放置。翌朝、外観変化に気づいた。
引用元)西村 博之ら:高温環境下におけるインスリン製剤の簡易保存法, 糖尿病, 51 巻, 11 号, p. 1017-1023 (2008). https://doi.org/10.11213/tonyobyo.51.1017
どのように保管したら良いのか?
150gから350g程度の凍結保冷剤をタオルで包み保冷バッグまたはクーラーボックスに入れて密閉し後部座席下に保管すると,急激な温度変化を与えず30℃未満で保管可能
引用元)西村 博之ら:高温環境下におけるインスリン製剤の簡易保存法, 糖尿病, 51 巻, 11 号, p. 1017-1023 (2008). https://doi.org/10.11213/tonyobyo.51.1017
凍結
引用元)朝倉 俊成, 清野 弘明:「凍結によるインスリン製剤の性状変化観察と凍結後解凍したインスリン製剤の使用防止のための患者説明のありかた」, 糖尿病, 46 巻, 9 号, p. 767-773 (2003). https://doi.org/10.11213/tonyobyo1958.46.767