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高K血症治療薬

高K血症治療薬

特長:
薬効群の特徴
 

高K血症の要因

1.intakeが多い
腎機能が正常な場合,intakeの増加のみで高K血症を来たすことは稀
CKDやK排泄を低下させる薬剤の内服中では,intakeの増加に対するK排泄が追いつかず,高K血症を来たしうる
  • 食事
  • 薬剤
    • 保存血の輸血(照射赤血球 2 単位,14 日後で約 6 mEq)
    • K補給用製剤の使用
    • ペニシリンG(100万単位に1.53 mEq)等
2.腸または腎臓からのoutが少ない
:腎臓でのK調節は主に遠位尿細管と集合管で規定され、特にそこに作用するアルドステロンが重要
  • 腎機能障害・・・尿細管機能障害、間質の線維化等により、後述するアルドステロンの分泌や作用不足を招き,高K血症の要因となる
  • アルドステロンの作用不足
3.細胞内シフトの障害
急性の高K血症の原因として非常に重要
  • 糖尿病性ケトアシドーシス(diabetic ketoacidosis:DKA)による場合
  • それ以外のアシドーシスの場合
4.細胞外へのKの漏出(細胞破壊を含む)

重要な病態

  • シックデイ
    • CKD に限らず、心不全,治療抵抗性高血圧,糖尿病,心筋梗塞等の基礎疾患や,高K血症リスクのある薬剤使用の患者のシックデイでは,血液検査の閾値を下げて高K血症の有無を評価すべきだと考えられている
  • 糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)
    • 見かけ上高K血症を認めることが多い
      • DKA・・インスリンの絶対不足によるKの細胞外→内へのシフトが起こりにくい
      • 高血糖・・高血糖による高浸透圧がKの細胞内→外へのシフトを促すこと

作用機序

 

薬剤名

高K血症治療薬
ポリスチレンスルホン酸カルシウム
ポリスチレンスルホン酸カルシウム
カリメート
カリメート散
4. 効能又は効果
急性及び慢性腎不全に伴う高カリウム血症
6. 用法及び用量
  • 〈経口投与〉
    • (成人)1日15~30gを2~3回で分服
      1回量を水30~50mLに懸濁し、経口投与(症状により適宜増減)
  • 〈注腸投与〉
    • (成人)1回30gを水または2%メチルセルロース溶液100mLに懸濁して注腸
      注腸時の注意点
      体温程度に加温した懸濁液を注腸し30分から1時間腸管内に放置する。液がもれてくるようであれば枕で臀部挙上するか、或いはしばらくの間膝胸位をとらせる。
      水または2%メチルセルロース溶液にかえて5%ブドウ糖溶液を用いてもよい。
カリメートドライシロップ92.59%
4. 効能又は効果
急性及び慢性腎不全に伴う高カリウム血症
6. 用法及び用量
(成人)1日16.2~32.4g(ポリスチレンスルホン酸カルシウムとして1日15~30g)を2~3回で分服
1回量を水30~50mLに懸濁し、経口投与する。なお、症状により適宜増減する。
カリメート経口液20%
4. 効能又は効果
急性及び慢性腎不全に伴う高カリウム血症
6. 用法及び用量
(成人)1日75~150g(ポリスチレンスルホン酸カルシウムとして1日15~30g)を2~3回に分け、経口投与する。なお、症状により適宜増減する。
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム
ケイキサレート
ケイキサレート散
4. 効能又は効果
急性および慢性腎不全による高カリウム血症
6. 用法及び用量
〈内服〉
通常、成人1日量30gを2~3回に分け、その1回量を水50~150mLに懸濁し、経口投与する。症状に応じて適宜増減。
〈注腸〉
通常、成人1回30gを水または2%メチルセルロース溶液100mLに懸濁して注腸する。症状に応じて適宜増減。
ケイキサレートドライシロップ
4. 効能又は効果
急性および慢性腎不全による高カリウム血症
6. 用法及び用量
通常、成人1日量39.24g(ポリスチレンスルホン酸ナトリウムとして1日量30g)を2~3回に分け、その1回量を水50~150mLに懸濁し、経口投与する。症状に応じて適宜増減。
ジルコニウムシクロケイ酸ナトリウム水和物
ジルコニウムシクロケイ酸ナトリウム水和物
ロケルマ懸濁用散
ロケルマ懸濁用散
4. 効能又は効果
高カリウム血症
5. 効能又は効果に関連する注意
5.1 本剤は効果発現が緩徐であるため、緊急の治療を要する高カリウム血症には使用しないこと。[17.1.2 参照][18.4 参照]
6. 用法及び用量
通常、成人には、開始用量として1回10gを水で懸濁して1日3回、2日間経口投与する。なお、血清カリウム値や患者の状態に応じて、最長3日間まで経口投与できる。以後は、1回5gを水で懸濁して1日1回経口投与する。なお、血清カリウム値や患者の状態に応じて適宜増減するが、最高用量は1日1回15gまでとする。
血液透析施行中の場合には、通常、1回5gを水で懸濁して非透析日に1日1回経口投与する。なお、最大透析間隔後の透析前の血清カリウム値や患者の状態に応じて適宜増減するが、最高用量は1日1回15gまでとする。
初回、負荷投与を行う

代表的な副作用

低K血症
 
うっ血性心不全
 
 

高K血症の原因薬剤

ACE 阻害薬
ARB
MRA
NSAIDs
ジキタリス
βブロッカー
ナファモスタットメシル酸塩
ST 合剤
ベンジルペニシリン K
ヘパリン

シックデイの対応

高K血症
血液検査の閾値を下げて高K血症の有無を評価すべき
  • CKD(特にeGFR≦30 ml/min/1.73 m2)
  • 基礎疾患:心不全、治療抵抗性高血圧、糖尿病、心筋梗塞等
  • 高K血症リスクのある薬剤使用の患者
上記リスクがある人で、食事がとれない時の対処をあらかじめ確認しておく(チーム間で共有)

特徴