de Vries M, J Am Med Dir Assoc (2018) [PMID: 29396189]
PICO形式での要約
- P (患者 / 対象者):
60歳以上、または平均年齢70歳以上の高齢者
- I (介入 / 暴露):
心血管系薬剤の使用
- C (比較):
これらの薬剤を使用していない高齢者
- O (アウトカム):
転倒リスクの増加または減少
主な結果:
- 転倒リスクを有意に増加させる薬剤:
- ループ利尿薬(OR 1.36, 95% CI 1.17-1.57)
- ジギタリス製剤(未調整OR: 1.60, 95% CI 1.08-2.36)
- ジゴキシン(未調整OR: 2.06, 95% CI 1.56-2.74)
- 転倒リスクを有意に減少させる薬剤:
- β遮断薬(OR 0.88, 95% CI 0.80-0.97)
- スタチン(未調整OR: 0.80, 95% CI 0.65-0.98)
- 不明瞭な点:
- 多くの解析で異質性が高く、集団や環境による影響が消えなかった
- β遮断薬の選択性など、薬剤特性が転倒リスクに関与する可能性がある
- 薬剤と疾患の相互作用が影響する可能性がある
結論:
ループ利尿薬、ジギタリス、ジゴキシンは転倒リスクを有意に増加させる一方、β遮断薬とスタチンは転倒リスクを低下させる可能性がある。薬剤の特性や疾患との相互作用を考慮したさらなる研究が必要である。