Ishibashi Y, PLoS One (2021) [PMID: 32916693]

PICO形式での要約

  • P(Patient/対象者): 入院中の患者(転倒経験あり・なしの比較)
  • I(Intervention/介入): スボレキサント、ラメルテオン、非ベンゾジアゼピン系薬、ベンゾジアゼピン系薬、漢方薬の使用
  • C(Comparison/比較): 服薬していない患者、または他の薬剤使用者
  • O(Outcome/結果): 転倒リスクの増加
    • ケースコントロール研究結果(多変量ロジスティック回帰)
    • スボレキサント: 転倒リスク増加(OR = 2.61; 95% CI: 1.29-5.28)
    • 非ベンゾジアゼピン系薬: 転倒リスク増加(OR = 2.49; 95% CI: 1.73-3.59)
    • ベンゾジアゼピン系薬: 転倒リスク増加(OR = 1.65; 95% CI: 1.16-2.34)
    • ラメルテオン: 有意なリスク増加なし(OR = 1.40; 95% CI: 0.60-3.16)
    • 漢方薬: 有意なリスク増加なし(OR = 1.55; 95% CI: 0.75-3.19)
    • ケースクロスオーバー研究結果
    • スボレキサント: 転倒リスク増加(OR = 1.78; 95% CI: 1.05-3.00)
    • 非ベンゾジアゼピン系薬: 転倒リスク増加(OR = 1.63; 95% CI: 1.17-2.27)

結論

スボレキサントおよび非ベンゾジアゼピン系薬は、入院患者における転倒リスクを有意に増加させる。一方、ラメルテオンや漢方薬は統計的に有意なリスク増加とは関連しなかった。非GABA系睡眠薬でも転倒リスクがあるため、処方時の慎重な評価が必要である。