抗がん剤の血管外漏出(エクストラバゼーション)

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症例
63歳女性。
乳がんの治療のためドキソルビシンの点滴を受けている。
点滴中に、刺入部周辺に疼痛・発赤・腫脹が出現した。
点滴の滴下速度が低下し、逆血が確認できない
まず行うべき対応として最も適切なものはどれか。
直ちに点滴を止め、残存薬液をできるだけ吸引する
抗がん剤の血管外漏出(エクストラバゼーション)が疑われる。
ドキソルビシンは壊死起因性(ベシカント)薬剤に分類され、
漏出すると組織壊死を引き起こす。
 
血管外漏出の対応:
① 直ちに点滴を停止 ↓ ② 注射針を抜かず、残存薬液をできるだけ吸引 ↓ ③ その後、針を抜去 ↓ ④ 医師に速やかに報告 ↓ ⑤ 薬剤に応じた対処(ドキソルビシン → デクスラゾキサン局所投与など)
 
絶対にもみほぐさない(薬液が拡散し壊死範囲が広がる)。
※ ドキソルビシンは冷却が推奨される。
点滴速度を遅くして継続する
血管外漏出が疑われる場合、直ちに投与を中止する必要がある。速度を遅くしても漏出は止まらず、組織障害が進行する。
漏出部をマッサージして薬液を分散させる
絶対にもみほぐさない。壊死起因性薬剤をマッサージすると、薬液が周囲に拡散し壊死範囲が広がる
別の血管に刺し直して投与を継続する
まずは漏出部位の処置を優先する。投与の再開は医師の判断で行い、漏出部位から十分離れた部位に留置する。
血管外漏出のリスクが高い壊死起因性(ベシカント)薬剤にはどのようなものがありますか?
  • ドキソルビシン(アントラサイクリン系)→ 冷却
  • エピルビシン(アントラサイクリン系)→ 冷却
  • ビンクリスチン・ビンブラスチン(ビンカアルカロイド系)→ 温罨法
  • パクリタキセル・ドセタキセル(タキサン系)
  • 看護師は点滴中の刺入部の観察を頻回に行い、早期発見に努める
  • 中心静脈カテーテル(CV)の使用で漏出リスクを低減できる