皮下輸液
皮下輸液の特徴
有効性
軽度〜中等度の脱水症状を呈する高齢者
- 末梢静脈栄養と、同等の有効性
- ただし、特徴を理解する必要がある:投与液量の違い等
有害事象
- 全身性反応(急性心不全,低ナトリウム血症)
- 局所反応(大きな浮腫,静脈炎,蜂窩織炎,紅斑,強い痛み)
- 末梢静脈栄養と差はない
皮下投与が可能な輸液製剤
輸液の特徴
- 等透圧(等張,浸透圧比1)
- 等pH(皮膚表面は弱酸性pH 4 〜 6程度,角質下部では塩基性pH 6 〜 7程度)
輸液製剤
- 生理食塩水・・・保険適用あり
- 5%ブドウ糖液
- 電解質を含まないため,皮下の糖液注入部に血管内から電解質が移行し,血 液の電解質異常を悪化させることがある
- 1号液
- 3号液
- リンゲル液
- 乳酸・酢酸加リンゲル液は,経静脈的に投与されると,血液内で乳酸や酢酸 がHCO3-に変換されることを前提に作成されており,皮下輸液に使用すると逆 に血液のHCOが皮下に引き出されアシドーシスを増悪させる可能性がある ので注意を要する
皮下投与できない輸液
- 末梢静脈栄養輸液
- 高カロリー輸液
- 脂肪乳剤
投与量と投与速度
皮下輸液の投与量は個人差が大きい
- 1,500 mL/日まで(投与部位が2ヶ所の場合は 3,000mL/日まで)
- 同一部位に 2,000 mL/日以上投与しない
- 投与速度は、500 mL/時を超えない
- 投与速度は、1200 mL/時以内
- 同一部位に投与する場合、無理なく吸収できる量 200〜500 mL/日