デュピルマブ(遺伝子組換え)
最適使用ガイドラインの要点:
デュピルマブ(遺伝子組換え)〈慢性閉塞性肺疾患:COPD〉
① 薬剤の位置づけ(What)
- 抗IL-4RαヒトIgG4モノクローナル抗体
- IL-4/IL-13シグナルを同時に阻害
- 2型炎症を有するCOPDに対する新規生物学的製剤
- 既存の吸入治療(LAMA+LABA+ICS)で増悪を抑制できない患者が対象
- 急性増悪を止める薬ではなく、増悪予防・長期管理目的
② 適応・効能の範囲(Where)
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
- ただし
👉 既存治療で効果不十分な患者に限定
③ 対象患者の要件(Who)【最重要】
以下 すべてを満たすことが必要:
- COPDの確定診断
- 最新のCOPD診療ガイドラインに基づく
- 肺機能
- 気管支拡張薬後
- FEV1/FVC < 0.70
- FEV1:予測値の30%超〜70%以下
- 既存治療
- LAMA+LABA+ICS を 3か月以上併用
- ICS禁忌時は LAMA+LABA
- 増悪歴
- 以下のいずれか:
- 中等度増悪:年2回以上
- 重度増悪:年1回以上(入院等)
- かつ
(うち1回は全身性ステロイド使用)
👉 少なくとも1回は三剤併用中に発現
- 炎症表現型
- 血中好酸球数 ≥300/µL
- 非薬物療法
- 禁煙
- 呼吸リハビリテーション
- これらを含む管理計画が作成・実施されている
④ 投与・使用方法の要点(How)
- 300 mg
- 2週間隔で皮下注射
- 成人のみ
- 既存の吸入治療(LAMA・LABA・ICS)は継続
- 投与開始後:
- 12週・52週を目安に効果判定
- 効果不十分なら漫然投与は不可
⑤ 医療機関の要件(Where / By whom)
以下すべてを満たす施設で使用
- COPD診療に精通した医師が責任者
- 呼吸器内科またはCOPD関連アレルギー診療で
3年以上の研修歴
- 医薬品情報管理・安全性対応体制あり
- アナフィラキシー等への即応体制
- 他アレルギー疾患(喘息など)担当医との連携体制
⑥ 併用療法・支援の要件(Support)
- 吸入治療の継続が前提
- 禁煙指導・呼吸リハの継続
- ステロイド長期使用中患者では
👉 急な中止・減量は禁止
- 他アレルギー疾患の治療を自己判断で変更しないよう指導
⑦ 有効性・安全性の要点(Why careful)
有効性
- 国際共同第Ⅲ相試験で:
- 中等度・重度COPD増悪を約30%抑制
- FEV1改善
- QOL(SGRQ)改善
- 効果は特に:
- 好酸球高値
- FeNO高値
- IgE高値
など 2型炎症が強い患者で顕著
安全性
- 有害事象頻度:プラセボと同程度
- 重要な注意点:
- アナフィラキシー(0.1%未満)
- 好酸球増加症、EGPA
- 生ワクチン接種不可
- 寄生虫感染リスク
- COPD急性増悪には使用しない
⑧ 実務でのチェックポイント(Summary)
- ☑ COPD確定診断・肺機能条件
- ☑ LAMA+LABA+ICSの使用状況
- ☑ 増悪回数・重症度
- ☑ 血中好酸球数 ≥300/µL
- ☑ 禁煙・呼吸リハ実施状況
- ☑ 投与12週・52週での効果評価
- ☑ 急性増悪時に使わないことの患者説明
- ☑ 他アレルギー疾患管理の連携
関連通知等
関連通知等
デュピルマブ(遺伝子組換え)製剤の最適使用推進ガイドライン(アトピー性皮膚炎、気管支喘息、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎)の一部改正について
医薬薬審発0925 第2号、令和5年9月25日
- 既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎に対する小児の用法・用量の追加に係る承認事項一部変更に伴う一部改正
デュピルマブ(遺伝子組換え)製剤の最適使用推進ガイドライン(アトピー性皮膚炎、気管支喘息、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎)の一部改正について
薬生薬審発1124第1号、令和2年11月24日
- デュピクセント皮 下注 300 mg ペン承認に伴う一部改正