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Ⅳ群:Caチャネル遮断薬
ひとことで
房室結節を通る電気信号をゆっくりにして、心房から心室へ伝わる刺激の数を減らす薬効群です。心房細動のレートコントロールや発作性上室性頻拍で使われます。Vaughan–Williams分類のⅣ群に相当します。[1]
どう効く?
作用点
房室結節・洞結節のL型Ca²⁺チャネルを遮断します。主な薬はベラパミル、ジルチアゼムです。
因果関係
房室結節のCa²⁺流入を抑制
↓
房室伝導が遅くなり、不応期が延長する
↓
心房の速い興奮が心室へ伝わりにくくなる
↓
心拍数が下がり、上室性頻拍を抑える
主な薬
ベラパミル、ジルチアゼム。ベラパミル静注は発作性上室性頻拍、発作性心房細動、発作性心房粗動に用いられ、投与中は心電図と血圧の監視が必要です。[2]
主な用途
- 発作性上室性頻拍
- 心房細動・心房粗動の心拍数コントロール
- 狭心症や高血圧を併存する患者の治療選択肢
心不全、低血圧、房室ブロック、WPW症候群に伴う心房細動などでは、病態に応じた慎重な判断が必要です。
患者さんには、どう説明する?
問い
この薬について、専門用語を使わず患者さんに説明するとしたら、どう説明しますか?
説明例
「心房から心室へ伝わる電気信号をゆっくりにして、速くなった脈を落ち着かせる薬です。脈が遅い、ふらつく、血圧が低い、息苦しい、便秘が強いなどの変化があれば知らせてください。」
薬理作用から、どんな副作用が考えられる?
問い
この薬の作用から、どのような副作用が起こりうるか考えてみましょう。
解説
房室結節・洞結節の抑制
↓
心拍数と房室伝導が低下する
↓
徐脈、房室ブロック、血圧低下
心筋収縮力も抑えるため、心機能が低下した患者では心不全を悪化させることがあります。ベラパミルでは便秘、歯肉増殖、浮腫なども確認します。
患者では何を見る?
問い
この薬を使用している患者では、何を観察しますか?
観察ポイント
- 効果:脈拍、動悸、発作の停止・頻度、心電図
- 見逃したくない変化:著明な徐脈、房室ブロック、低血圧、失神、息切れ・浮腫
- 検査:心電図(PR・房室伝導)、血圧、心不全所見。静注時は連続心電図と頻回の血圧測定
- 生活5領域:食事、排泄(便秘)、睡眠、活動時のふらつき・息切れ、認知機能・転倒
- +α:β遮断薬やジギタリスとの併用、心不全、WPW、静注時の投与速度
関連する薬効群
- Ⅱ群:β遮断薬
- その他:ジゴキシン、アデノシン
- Ⅰ群・Ⅲ群:リズムコントロール薬
参考資料
- 日本循環器学会/日本不整脈心電学会『2020年改訂版 不整脈薬物治療ガイドライン』[1]
- PMDA 添付文書(ベラパミル塩酸塩静注)[2]