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ベラパミル(Ⅳ群)とβ遮断薬の併用注意
症例
60歳男性。
発作性上室性頻拍(PSVT)に対してベラパミル(Ⅳ群・Ca拮抗薬)を服用中。
最近、狭心症の診断を受け、
近医でプロプラノロール(β遮断薬)が追加処方された。
数日後、強い倦怠感・めまい・失神を認め救急搬送された。
モニターでHR 35/分の高度徐脈を認めた。
この患者の高度徐脈の原因として最も考えられるものはどれか。
ベラパミルとβ遮断薬の併用による相加的な心抑制
ベラパミル(Ⅳ群)とβ遮断薬は、いずれも房室結節の伝導を抑制し、心拍数を低下させる作用がある。
ベラパミル:Caチャネル遮断 → 房室伝導抑制・陰性変力作用
+
β遮断薬:交感神経遮断 → 心拍数低下・房室伝導抑制
=
相加的な心抑制 → 高度徐脈・房室ブロック・心不全悪化のリスク
この併用は原則禁忌とされており、特に静注同士の併用は絶対禁忌である。
ベラパミルの副作用(単独)
ベラパミル単独でも徐脈は起こりうるが、新たにβ遮断薬が追加されたタイミングで高度徐脈が出現しているため、併用による相加作用が最も考えられる。
狭心症の悪化
狭心症の悪化では胸痛が主症状であり、高度徐脈の原因としては考えにくい。
迷走神経反射
迷走神経反射でも徐脈は起こるが、一過性であることが多い。薬剤追加後に持続的な高度徐脈が出現しているため、薬物相互作用が最も考えられる。
Ⅳ群抗不整脈薬(非ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬)の特徴は何ですか?
- ベラパミルとジルチアゼムが該当
- 房室結節のCaチャネルを遮断 → 房室伝導を抑制
- 上室性不整脈(PSVT、心房細動のレートコントロール)に使用
- ジヒドロピリジン系(アムロジピンなど)は血管選択性が高いため抗不整脈作用はない
- β遮断薬との併用は徐脈・心不全のリスクが高く原則禁忌