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Ⅲ群:Kチャネル遮断薬

ひとことで

心筋が次の刺激を受けられるようになるまでの時間を延ばし、異常な電気刺激が繰り返し伝わるのを抑える薬効群です。心房細動のリズムコントロールや、生命に関わる心室性不整脈で用いられます。Vaughan–Williams分類のⅢ群に相当します。[1]

どう効く?

作用点

主に心筋のK⁺チャネルを抑制し、再分極を遅らせます。アミオダロンはNa⁺・K⁺・Ca²⁺チャネルやβ受容体にも作用する多チャネル遮断薬です。

因果関係

K⁺チャネルを抑制 ↓ 活動電位持続時間と不応期が延長する ↓ リエントリーが成立しにくくなる ↓ 心房・心室の頻脈性不整脈を抑える

主な薬

アミオダロン、ニフェカラント、ソタロールなど。アミオダロンは、他の抗不整脈薬が無効または使用できない生命に危険のある心室細動・心室頻拍や、心不全・肥大型心筋症に伴う心房細動などに用いられます。[2]

主な用途

  • 心房細動・心房粗動のリズムコントロール
  • 心室頻拍・心室細動など重症の心室性不整脈
  • 他剤が無効または使用できない場合の治療
薬剤により適応、発現時間、投与経路、必要なモニタリングが異なります。

患者さんには、どう説明する?

問い

この薬について、専門用語を使わず患者さんに説明するとしたら、どう説明しますか?

説明例

「心臓が次の電気刺激を受けるまでの時間を調整し、乱れた脈が繰り返されるのを抑える薬です。薬によっては肺・甲状腺・肝臓・目などを定期的に確認する必要があります。自己判断で中止せず、息切れ、咳、黄疸、視力の変化、脈の乱れを伝えてください。」

薬理作用から、どんな副作用が考えられる?

問い

この薬の作用から、どのような副作用が起こりうるか考えてみましょう。

解説

再分極・不応期の延長 ↓ QTが延長することがある ↓ 過度の徐脈や電解質異常が重なると、Torsades de pointesなどの心室性不整脈
アミオダロンでは、長期投与に伴う間質性肺炎、甲状腺機能異常、肝障害、角膜・視神経障害、皮膚の光線過敏など、複数臓器の副作用にも注意します。[3]

患者では何を見る?

問い

この薬を使用している患者では、何を観察しますか?

観察ポイント

  • 効果:脈拍、心電図、動悸、失神、発作の回数・持続時間
  • 見逃したくない変化:QT延長、著明な徐脈、失神、息切れ・乾性咳嗽、黄疸、視力低下
  • 検査:心電図、K⁺・Mg²⁺、肝機能、甲状腺機能、胸部画像・呼吸機能、眼科所見。薬剤により血中濃度
  • 生活5領域:食事と甲状腺症状、排泄、睡眠、活動時の息切れ・疲労、認知機能・転倒
  • +α:併用薬によるQT延長、日光曝露、服薬継続、定期検査の受診状況

関連する薬効群

  • Ⅰ群:Naチャネル遮断薬
  • Ⅱ群:β遮断薬
  • Ⅳ群:Caチャネル遮断薬

参考資料

  • 日本循環器学会/日本不整脈心電学会『2020年改訂版 不整脈薬物治療ガイドライン』[1]
  • PMDA 患者向医薬品ガイド(アミオダロン塩酸塩)[2]
  • PMDA 医薬品安全対策情報(アミオダロン塩酸塩)[3]