Masurkar PP, Drugs Aging. 2021
Masurkar PP, Chatterjee S, Sherer JT, Aparasu RR. Antimuscarinic Cascade Across Individual Cholinesterase Inhibitors in Older Adults with Dementia. Drugs Aging. 2021 Jul;38(7):593-602. doi: 10.1007/s40266-021-00863-5. Epub 2021 May 24. PMID: 34027602.
Title(英語 / 日本語)
Antimuscarinic Cascade Across Individual Cholinesterase Inhibitors in Older Adults with Dementia
認知症高齢者におけるコリンエステラーゼ阻害薬ごとの抗ムスカリン薬処方カスケード
First and Last Authors
- First Author(最初の著者): Prajakta P Masurkar
- Last Author(最終著者): Rajender R Aparasu PubMed
First Affiliations
- Department of Pharmaceutical Health Outcomes and Policy, College of Pharmacy, University of Houston, Houston, TX, USA PubMed
Abstract(要約)
この研究は、認知症の高齢者に処方されるコリンエステラーゼ阻害薬(AChEI:ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン)が、過活動膀胱治療のための抗ムスカリン薬処方を誘発する「処方カスケード」とどのように関連するかを比較評価した。AChEI開始後6か月以内に抗ムスカリン薬が追加される頻度を各薬剤別に検討し、ドネペジル使用者で抗ムスカリン薬処方のリスクが他のAChEIより高いことを示した。 PubMed
Background(背景)
- コリンエステラーゼ阻害薬(AChEI)は認知症治療に用いられることが多い。
- これらの薬剤は副作用として膀胱機能への影響が生じ、結果的に抗ムスカリン薬が処方されることがある(処方カスケードの例)。
- 個々のAChEIでこのカスケードの発生率が異なるかどうかについては、比較データが限られていた。 PubMed
Methods(方法)
- デザイン:新規ユーザーレトロスペクティブコホート研究
- データソース:TriNetX 電子カルテデータベース(米国)
- 対象:65歳以上で認知症と診断され、AChEI(ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン)の新規使用者
- 除外:AChEI開始前1年以内に抗ムスカリン薬使用や過活動膀胱診断のある患者
- 主要アウトカム:AChEI開始後6か月以内の抗ムスカリン薬処方
- 解析:Cox比例ハザードモデルで各AChEIについて抗ムスカリン処方リスクを比較 PubMed
Discussion(考察)
- AChEI間で抗ムスカリン薬処方カスケードの発生に差があり、特にドネペジルで発生リスクが高いことが示された。
- この処方カスケードは、副作用による二次的な処方増加という観点から、ポリファーマシーや不必要な薬剤負担につながる可能性がある。
- 今後は、このカスケードが臨床アウトカムや認知機能に及ぼす影響をさらに評価する必要がある。 PubMed
Novelty compared to previous studies(新規性)
- 同一コホート内で複数のAChEIを比較し、薬剤ごとの抗ムスカリン処方カスケードの発生リスク差を明らかにした点が新規性である。 PubMed
Limitations(制限事項)
- 観察研究であり、因果関係の確立には限界がある。
- 電子カルテデータの性質上、処方理由や症状の詳細な情報が完全には把握できない可能性がある。
- 検討された抗ムスカリン薬処方が必ずしも副作用に起因しているとは限らない。 PubMed