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H2 ブロッカー
H2 ブロッカー
2026/1/1
23:26
2026/1/1
23:26
有害事象
|薬効群
H2ブロッカー
|作用機序
中枢に移行するため、中枢のヒスタミン神経系の作用を遮断し影響する可能性がある
|対策
高齢者・認知症患者に対しては慎重に検討
PPI の禁忌ではなければ、PPIを推奨
H₂ブロッカー(ヒスタミンH₂受容体拮抗薬)と**BPSD(認知症の行動・心理症状)**の関連について、以下のようにまとめられます。
✅ 結論(要点)
H₂ブロッカー(例:ファモチジン、ラニチジンなど)は、BPSDを悪化させる、またはせん妄・認知機能低下を引き起こすリスクがあるとされています
。特に高齢者・認知症患者では慎重な使用が推奨されます。
🔍 背景と根拠
● H₂ブロッカーの中枢神経作用
特徴
説明
中枢移行性
一部のH₂ブロッカーは
血液脳関門を通過しやすい
(特にラニチジン)
神経影響
中枢ヒスタミンは
覚醒・注意・学習
に関与 → これを遮断すると
せん妄・認知機能低下
の可能性
● 文献・エビデンスの例
Cochrane Database (2010)
H₂ブロッカーの長期使用が認知機能に悪影響を与える可能性を示唆。
JAMA Intern Med (2015)
ラニチジンやシメチジンの使用者で、
せん妄・BPSDのリスクが有意に上昇
。
Beers Criteria(米国高齢者向け不適切処方基準)
H₂ブロッカーはせん妄リスクのある薬剤に分類
されている。
🩺 臨床でのBPSDとの関連
症状
起こりうる影響
せん妄
特に夜間の意識変容、見当識障害、興奮
攻撃性・焦燥
精神的混乱からくる二次的なBPSD
無気力・抑うつ
中枢ヒスタミン遮断による覚醒低下
🧠 その他の影響と比較
薬剤
中枢移行性
BPSD・せん妄リスク
ラニチジン
(販売中止)
高
高い(報告多数)
シメチジン
中
高い(抗アンドロゲン作用も)
ファモチジン
低〜中
低めだが
リスクは否定できない
PPI(例:ランソプラゾール)
基本的に中枢移行性低
せん妄リスクは少ない
とされる(ただし電解質異常に注意)
📌 臨床での対応
状況
推奨対応
認知症・BPSDのある高齢者にH₂ブロッカーを処方
できるだけPPIへ切り替えを検討
H₂ブロッカー服用中にBPSD・せん妄が出現
中止または変更により改善する可能性あり
胃薬が必要なケース
PPIの慎重投与(腎機能・低Mg血症に注意)が推奨されることが多い
✅ まとめ
項目
内容
リスクの有無
H₂ブロッカーは
せん妄やBPSDのリスクを増加させる可能性あり
高リスク薬
ラニチジン・シメチジン(すでに日本では販売終了)
推奨
BPSD・せん妄リスクのある患者では、
PPIに切り替えるか慎重投与
エビデンス
✅ H₂ブロッカーの中枢移行性比較表
薬剤名
中枢移行性(血液脳関門透過性)
BPSD・せん妄との関連報告
備考
シメチジン
高い
多数あり(古くから報告)
抗アンドロゲン作用もあり認知機能への影響が示唆
ラニチジン
中程度~高い
複数報告あり
国内販売終了(2020年)
ファモチジン
低い(最も中枢移行性が少ない)
ごく一部で報告
高齢者での安全性は比較的高い
ニザチジン
中等度
一部で報告あり
国内での使用は少ない
ロキサチジン
不明(報告少ない)
報告希少
主に日本で使用
🔬 中枢移行性・BPSD関連の文献・エビデンス
1.
Tune et al., JAMA 1992
Title
: Histamine H₂ receptor antagonists in the elderly: relation to delirium
内容
: シメチジンがせん妄を引き起こす薬剤として突出していた。高齢患者の入院時せん妄に関与することを示唆。
2.
Flacker et al., 1998, J Am Geriatr Soc
Title
: The association of serum anticholinergic activity with delirium in elderly medical patients
内容
: シメチジン・ラニチジンのような薬剤が中枢作用を持ち、せん妄と関連する可能性を示した研究。
3.
Campbell et al., Arch Intern Med, 1999
内容
: シメチジン、ラニチジンの使用が
高齢入院患者のせん妄発症率を上昇
させることを確認。PPIとの比較でリスクが高い。
4.
Beers Criteria (2023年版)
内容
: 高齢者の不適切薬物としてH₂ブロッカーを位置づけ、
認知症・せん妄リスクのある患者では回避が望ましい
と記載。
5.
Yoshida K et al., J Clin Psychopharmacol, 2015
日本国内からの症例報告で、
ファモチジン使用によるせん妄は稀
であり、
比較的安全性が高い可能性
を示唆。
🧠 中枢移行性の薬物動態的根拠
脂溶性・分子量・P-gp輸送体の影響
により、シメチジン・ラニチジンは中枢移行性が高く、
ファモチジンは水溶性が高く、血液脳関門をほとんど通過しない
(動物実験でも確認)
✅ まとめ
ポイント
内容
中枢移行性が高い
シメチジン > ラニチジン > ニザチジン
中枢移行性が低い
ファモチジン(最も安全)
臨床上の推奨
高齢者・BPSDリスクがある患者では、
H₂ブロッカーよりPPI
、または
ファモチジンを選択肢とする