HCNチャネル遮断薬

HCNチャネル遮断薬

1. 定義

心臓の洞房結節(SAN)に発現するHCN(Hyperpolarization-activated Cyclic Nucleotide-gated)チャネルを阻害し、洞房結節の自動能を抑制する薬剤群。
 

2. 作用機序

洞房結節におけるIf(“funny” current)電流を選択的に減少させることで、洞結節の脱分極速度を低下させ、安静時心拍数を低下させる。
ポイント:
β遮断薬と異なり、心筋収縮力(収縮性)や血圧に対する影響は少なく、心拍数だけを選択的に調整する点が特徴。
 

3. 主な薬理作用

  • 心拍数を低下させ、心臓を保護する
 

4. 主な薬剤例

5. 対象疾患

  • 慢性心不全(左室駆出率低下例)で安静時心拍数が高い症例
  • 慢性安定狭心症でβ遮断薬が不耐または不十分な場合(心拍数制御目的)

6. 注意点・副作用

  • 心拍数のみを選択的に下げるため、血圧や収縮力への影響が少ない。
  • 副作用:徐脈、心房細動の誘発リスク、視覚症状(明暗点視:一過性の光点閃輝感)
  • 禁忌:重度の徐脈(心拍数<60/分)、完全房室ブロック、重度肝障害など

7. 類薬との使い分け

  • 他薬との使い分け:β遮断薬適応外または併用困難な場合に選択。β遮断薬との併用で相乗的に心拍数低下をもたらすため、投与中は心拍数・症状の頻回なモニタリングが必要。
 
ポイント: