Gorgojo-Martínez JJ, J Clin Med. 2022

Gorgojo-Martínez JJ, Mezquita-Raya P, Carretero-Gómez J, Castro A, Cebrián-Cuenca A, de Torres-Sánchez A, García-de-Lucas MD, Núñez J, Obaya JC, Soler MJ, Górriz JL, Rubio-Herrera MÁ. Clinical Recommendations to Manage Gastrointestinal Adverse Events in Patients Treated with Glp-1 Receptor Agonists: A Multidisciplinary Expert Consensus. J Clin Med. 2022 Dec 24;12(1):145. doi: 10.3390/jcm12010145. PMID: 36614945; PMCID: PMC9821052.
 
この論文は、GLP-1受容体作動薬(GLP-1 RAs)使用中に生じる消化器系有害事象(GI AEs:悪心、嘔吐、下痢、便秘) の管理について、多職種(内分泌科医、腎臓内科医、プライマリケア医、循環器内科医、内科医、糖尿病看護師など)の専門家が合意形成した推奨事項をまとめています。

背景

  • GLP-1 RAsは、2型糖尿病の血糖コントロールおよび肥満の体重減少に高い効果を持つ。
  • しかし、使用中にしばしばGI AEs(悪心・嘔吐・下痢・便秘)が出現し、治療継続の妨げとなる。
  • 適切な対応を行うことで、症状の重症化や中断を防ぎ、薬剤のメリットを最大化できる。

推奨内容

  1. 用量漸増(dose-escalation)の工夫
      • 維持量に到達するためのスケジュールを調整する。
      • GI AEsが出現した場合は、増量を一時停止または減量し、症状改善後に再開する。
  1. 症状別の対応策
      • 悪心・嘔吐
        • 少量・頻回の食事、脂肪や辛い食品の制限
        • 食後すぐに横にならない
      • 下痢
        • 水分摂取の確保
        • 食物繊維や消化の良い食事の工夫
      • 便秘
        • 水分・食物繊維摂取
        • 適度な運動
        • 必要に応じて下剤を使用
  1. 患者教育とサポート
      • HCP(医療従事者)と患者の両方が、症状発現時に取るべき行動を理解しておくことが重要。
      • インフォグラフィックや臨床シナリオを活用し、現場での実践的指針を提供。

意義

  • 本コンセンサスに基づいた対応により、GLP-1 RAs使用中の患者が 治療中断を回避しやすくなる
  • その結果、血糖コントロール・体重減少という薬剤の利点を長期的に享受できる可能性が高まる。