Williamson JD, JAMA. 2019 [SPRINT MIND]

PICO

  • Population(対象)
    • 米国およびプエルトリコの102施設で、50歳以上で高血圧を有し、糖尿病・脳卒中の既往を除外された成人9,361名(平均年齢67.9歳、女性35.6%)。
  • Intervention(介入)
    • 集中的降圧群:収縮期血圧を<120 mmHgに目標設定(n=4,678)。
  • Comparator(対照)
    • 標準降圧群:収縮期血圧を<140 mmHgに目標設定(n=4,683)。
  • Outcome(評価項目)
    • 主アウトカム:専門家委員会により確定された「おそらく認知症(probable dementia)」の発症
    • 二次アウトカム:確定された「軽度認知障害(MCI)」および「MCIまたはおそらく認知症の複合アウトカム」

主な結果

  • 追跡期間
    • 介入期間の中央値:3.34年
    • 認知機能アウトカムの最終フォローアップ:2018年7月22日まで
    • 総中央値フォローアップ:5.11年
  1. おそらく認知症の発症
      • 集中的降圧群:149例(7.2件/1,000 人・年)
      • 標準降圧群:176例(8.6件/1,000 人・年)
      • ハザード比(HR):0.83(95% CI,0.67–1.04)(有意差なし)
  1. 軽度認知障害(MCI)の発症
      • 集中的降圧群:14.6件/1,000 人・年
      • 標準降圧群:18.3件/1,000 人・年
      • HR:0.81(95% CI,0.69–0.95)(有意に減少)
  1. MCIまたはおそらく認知症の複合アウトカム
      • 集中的降圧群:20.2件/1,000 人・年
      • 標準降圧群:24.1件/1,000 人・年
      • HR:0.85(95% CI,0.74–0.97)(有意に減少)

考察と限界

  • 認知症予防効果:主アウトカムの認知症発症については統計的有意差を示さなかったが、MCIおよび複合アウトカムでは有意なリスク低減を認めた。
  • 早期打ち切りの影響:心血管イベントを優先した早期中止のため、認知症症例数が予想より少なく、本来の認知症発症リスク低減効果を検出する十分な検出力を欠いた可能性がある。
  • 臨床的示唆:集中的降圧がMCIの発症抑制に寄与する点は注目されるが、認知症予防を主要目的とするにはさらなる長期試験と症例数の確保が必要。