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排尿困難(尿閉含む)に対する薬

排尿困難(尿閉含む)に対する薬

3ステップで理解する臨床薬理

1. どんな薬?

排尿の仕組み
  • 膀胱(排尿筋)
    • 副交感神経の刺激:
      • 排尿筋が収縮する  →尿を押し出す
  • 内尿道括約筋
    • 交感神経を抑制
      • 内尿道括約筋は弛緩  →出口が広がる
  • 外尿道括約筋
    • 陰部神経を抑制
      • 外尿道括約筋は弛緩  →出口が広がる
(薬効群ごとの分類)
α₁遮断薬
  • 前立腺および尿道のα₁受容体を遮断
    • 平滑筋を弛緩させる、尿道抵抗を低下(出口をゆるめて尿を出しやすく)
コリン作動薬(ムスカリン受容体作動薬)
  • 排尿筋のムスカリン受容体を直接刺激
    • 膀胱平滑筋(排尿筋)の収縮を促進(袋を閉めて尿を押し出す)

2. どんな使い方

α₁遮断薬
前立腺肥大症に伴う排尿困難・残尿感
コリン作動薬(ムスカリン受容体作動薬)
  • 神経因性膀胱による排尿困難
  • 手術後の一過性尿閉
  • 薬剤性(抗コリン薬などによる)尿閉の改善
 
 

3. 注意点は?

α₁遮断薬
  • 禁忌:重度の肝障害、過敏症既往
  • 主な副作用:起立性低血圧(めまい・失神)、頭痛、逆行性射精
コリン作動薬(ムスカリン受容体作動薬)
  • 禁忌:消化管閉塞、気管支喘息、重度の心疾患(洞不全症候群、房室ブロック)
  • 主な副作用:腹痛・下痢、過度の発汗、徐脈、唾液分泌亢進

看護ポイント

  1. 排尿状況の観察
      • 排尿時間・排尿量・残尿量(超音波やカテーテル測定)を定期的に記録。
  1. 副作用のモニタリング
      • コリン作動薬:消化管症状、徐脈の有無
      • α₁遮断薬:血圧低下による立ちくらみや転倒リスク
  1. 服薬指導
      • コリン作動薬は食前15〜30分に服用し、効果的な排尿を促す。
      • α₁遮断薬は就寝前に服用すると、初回起立性低血圧を避けやすい。
  1. 非薬物的ケア
      • 排尿タイミングの習慣化、トイレ環境の整備(足台や手すりの設置)、水分摂取の工夫。