Mechanick JI, Obes Rev (2025)

🔍 背景

  • GLP-1RAやチルゼパチドは肥満治療において68〜72週間で平均15〜20%の体重減少をもたらす。
  • その過程で、筋肉量の10%以上が失われることが報告されており、これは加齢による約20年分の筋肉減少に相当。
  • 筋量・筋機能の低下は、代謝悪化・機能低下・QOL低下・体重リバウンドのリスクを増大させる。

🧩 筋肉量維持に影響する2大要素

  1. 栄養(Nutrition)
      • 高品質タンパク質の十分な摂取(消化吸収も考慮)
      • ビタミン・ミネラルなどの必須微量栄養素確保
      • 必要に応じて**経口栄養補助食品(ONS)**を併用
      • カロリー制限中でも**筋タンパク質合成を維持できる量のタンパク質(一般に1.2〜1.6g/kg/日)**を目安
  1. 身体活動(Physical Activity)
      • 特に**レジスタンストレーニング(筋力トレーニング)**の併用が有効
      • 有酸素運動も併用し、心代謝機能の維持・改善を図る
      • 継続的な運動プログラムが必要

🩺 推奨戦略(論文提案)

  • 包括的治療プログラムとして、
    • 適正なタンパク質・微量栄養素の摂取
    • 継続的なレジスタンストレーニング
    • 有酸素運動との組み合わせ
  • これらをIMDs開始時から並行して導入することが望ましい
  • 栄養評価(食事記録、体組成測定)と運動アセスメントを定期的に行う
  • 体重減少後も筋力・筋量維持フェーズを設ける

💡 臨床的インプリケーション

  • GLP-1RAやチルゼパチドは食欲抑制が強く、摂取エネルギー・タンパク質量が不足しやすいため、意識的な栄養介入が不可欠。
  • 筋量減少はサルコペニアだけでなく基礎代謝低下によるリバウンドリスクにも直結。
  • 特に高齢者・低BMI傾向・既に筋力低下のある患者では、投与前から予防策を開始すべき。