抗スクレロスチン抗体
抗スクレロスチン抗体
- スクレロスチンは骨芽細胞由来の糖タンパク質で、Wntシグナルを抑制して骨形成を抑える作用をもつ。
- 抗スクレロスチン抗体はこのスクレロスチンを中和し、骨形成を促進する完全ヒトモノクローナル抗体である。
スクレロスチンが阻害するWnt/β-カテニン経路を解放し、骨芽細胞の分化・活性化を促進。骨形成マーカー(P1NP, ALPなど)が上昇すると同時に、破骨細胞活性も二次的に抑制される“骨形成促進+骨吸収抑制”の二重作用を示す。
- 骨粗鬆症(高リスク例)
- 閉経後骨粗鬆症で骨折リスクが高い患者(椎体または大腿骨近位部骨折既往例等)
- 男性骨粗鬆症で骨折ハイリスク例
- 他治療抵抗例
- ビスホスホネートやテリパラチドを使用しても十分な骨密度上昇が得られない場合
- 心血管系イベントリスク:高リスク群では心筋梗塞や脳卒中の増加傾向が報告されており、既往に心血管疾患がある患者は慎重投与。
- 低カルシウム血症:投与前に血清Ca・ビタミンDを確認し、必要に応じて補充。投与後もモニタリングが必要。
- 過敏症・注射部位反応:発疹、かゆみ、紅斑、注射部位の疼痛や腫れなど。
- 骨痛・関節痛:投与直後に一過性の疼痛を訴えることがある。
- 治療期間制限:12か月投与後は骨形成が飽和するため、それ以降は他剤(ビスホスホネート等)への切り替えを検討。
- テリパラチド(PTH(1‐34)製剤):骨形成促進を主目的とする点は共通。テリパラチドは骨芽細胞活性化に特化し、投与期間は最長24か月。心血管リスクを懸念する場合、どちらを選ぶか個別検討。
- ビスホスホネート/デノスマブ:骨吸収抑制を主目的とする。骨折既往があり、まず吸収抑制薬で効果不十分な場合に抗スクレロスチン抗体を選択。
- 治療戦略:まず骨形成促進+吸収抑制を短期間で得たい高リスク例ではロモソズマブを優先し、12か月終了後にビスホスホネートやデノスマブで維持を行う。
ポイント: