白金製剤

白金製剤

3ステップで理解する臨床薬理

1. どんな薬?

  • 白金錯体が活性化されて細胞内DNAと結合
  • DNA二本鎖間架橋(クロスリンク)を形成し、DNA複製・転写を阻害 → 細胞死を誘導
 
(薬効群ごとの分類)
第一世代
シスプラチン
  • 強力なDNA架橋形成による抗腫瘍効果
  • 高い腎毒性・悪心嘔吐を伴う
第二世代
カルボプラチン
オキサリプラチン
  • 第一世代より毒性プロファイルが改善
    • カルボ:腎毒性 ↓,骨髄抑制 ↑
    • オキサリプラチン:腎毒性ほぼなし、末梢神経障害 ↑
第三世代
ネダプラチン
ミリプラチン
  • さらなる毒性軽減と経口化の試み
  • 骨髄抑制や末梢神経障害の頻度・程度が第二世代と異なる

2. どんな使い方

  • シスプラチン(Cisplatin):肺がん、卵巣がん、膀胱がん、頭頸部がんなど
  • カルボプラチン(Carboplatin):卵巣がん、小細胞肺がん、消化管がんなど
  • オキサリプラチン(Oxaliplatin):大腸がん(FOLFOX レジメン)
  • ネダプラチン(Nedaplatin):肺がん、食道がんなど
 

3. 注意点は?

  • 腎毒性(特にシスプラチン):十分な輸液管理(水分負荷、マンニトール併用)と腎機能モニタリングが必須
  • 強力な悪心・嘔吐:多剤併用の制吐療法(5-HT₃受容体拮抗薬+デキサメタゾンなど)を計画
  • 末梢神経障害(オキサリプラチン):手足のしびれ・感覚鈍麻に注意し、寒冷刺激回避を指導
  • 骨髄抑制(カルボプラチンは特に血小板減少に注意)
  • 耳毒性・聴力障害(シスプラチン):聴力の自己申告を促し、必要時オトログラム検査へ
  • アレルギー反応(ネダプラチンなど一部薬剤で稀に起こる)