中枢抑制薬

有害事象

|薬効群

|作用機序

  • 鎮静・催眠作用
  • 筋弛緩作用

|対策

 
 
ベンゾジアゼピン系薬剤
ベンゾジアゼピン系薬剤は、ベンゾジアゼピン受容体に作用し、催眠・鎮静作用に加え、筋弛緩作用を持つため、特に高齢者において、転倒リスクがある。
  • 基本的な考え方:高齢者に対して、基本的には使用を控える。特に長時間作用型は控える。
睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン
Q19高齢者の不眠症:ベンゾジアゼピン系睡眠薬転倒・⾻折リスクを⾼めるため推奨されない。
Q31副作用:現在広く用いられているベンゾジアゼピン系および⾮ベンゾジアゼピン系睡眠薬には、眠気、ふらつき、転倒、精神運動機能の低下、前⾏性健忘(睡眠薬服用後の出来事を覚えていない)、頭痛、消化器症状などの副作⽤がみられます。
高齢者の安全な薬物治療ガイドライン2015
CQ. ベンゾジアゼピン系薬剤は在宅高齢者の転倒リスクを高めるか?
A. ベンゾジアゼピン系薬剤は在宅高齢者の転倒リスクを高める。(エビデンスの質:低、推奨度:強)
CQ. 高齢者の睡眠薬治療で注意すべきことは何か?
A. ベンゾジアゼピン系睡眠薬・抗不安薬は、認知機能低下、転倒・骨折、日中の倦怠感などのリスクがあるので、可能な限り使用は控え、特に長時間作用型は使用すべきではない。(エビデンスの質:高、推奨度:強)
非ベンゾジアゼピン系薬剤
非ベンゾジアゼピン系薬剤とは、ベンゾジアゼピン骨格を持たない薬剤で、z-drug とも呼ばれる(名前にzがつく)。ベンゾジアゼピン受容体に作用して、催眠・鎮静作用を示す。
ベンゾジアゼピン受容体のうち、催眠・鎮静作用に関与するω1受容体に対する選択性が高く、主に抗不安作用や筋弛緩作用に関わるω2受容体には作用しにくいため、転倒リスクがベンゾジアゼピン系薬剤よりも低い。完全に無いわけではないので、注意は必要である。
睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン
Q19高齢者の不眠症:高齢者の原発性不眠症に対しては⾮ベンゾジアゼピン系睡眠薬が推奨される。
Q31副作用:現在広く用いられているベンゾジアゼピン系および⾮ベンゾジアゼピン系睡眠薬には、眠気、ふらつき、転倒、精神運動機能の低下、前⾏性健忘(睡眠薬服用後の出来事を覚えていない)、頭痛、消化器症状などの副作⽤がみられます。
高齢者の安全な薬物治療ガイドライン2015
CQ. 高齢者の睡眠薬治療で注意すべきことは何か?
非ベンゾジアゼピン系睡眠薬にも、転倒・骨折のリスクが報告されており、漫然と長期投与せず、少量の使用にとどめるなど、慎重に使用する。(エビデンスの質:中、推奨度:強)
オレキシン受容体拮抗薬
脳の覚醒を促すオレキシンの作用を減弱させることで催眠作用を示す。
転倒リスクが低いため、高齢者の不眠症に対して、従来の睡眠薬より安全性が高いとされており、使用されている。
  • 転倒以外の注意点
    • 薬物相互作用:CYP3A4で代謝されるため、阻害薬との併用禁忌の場合がある
    • 作用時間が長い:オレキシン受容体拮抗薬には、他薬効のような超短時間作用型薬剤がない。朝に薬効が残る可能性に注意して使用する。(最近販売開始されたダリドレキサントは従来の薬よりも半減期が短い)
      • ベルソムラ錠:t:12.5±2.6hr
      • デエビゴ錠:t:47.4hr
      • クービビック錠:t:6.92hr(食事の影響で血中濃度持続するため眠前に補食する場合は影響する可能性がある)
他に、高齢者の不眠症に対して選択される薬剤に、抗うつ薬のトラゾドンがある。
メラトニン受容体作動薬
睡眠リズムを調節するメラトニンは、高齢者では分泌が減少する。メラトニン受容体を刺激することで、睡眠作用を示す。
転倒リスクが低いため、高齢者の不眠症に対して、従来の睡眠薬より安全性が高いとされており、使用されている。
睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン
Q19高齢者の不眠症:メラトニン受容体作動薬については転倒・⾻折リスクに関するデータが乏しく推奨に至らなかった。
Q31副作用:〜メラトニン受容体作動薬では、ふらつきや前⾏性健忘が少ないことが知られています。
 

|STOPPFall

中止を検討する場合:
  • ベンゾジアゼピン系薬物(BZD)およびBZD関連薬物
    • 日中の鎮静認知機能障害、または精神運動機能障害がある場合
    • 睡眠障害と不安障害の両方の適応がある場合
 
注意が必要な薬剤:
  • 筋肉弛緩作用がある薬剤
  • 半減期が短い薬剤
体調チェックフローチャート
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