活性型ビタミンD3製剤
活性型ビタミンD3製剤
- 肝・腎での活性化を経ずにそのまま生理活性を持つビタミンD₃アナログ(例:カルシトリオール、アルファカルシドール、エルデカルシトール)。
- 腎不全などで自己活性化能が低下した患者にも直接作用できる。
ビタミンD3:皮膚で合成、または、食品から摂取したビタミンD3は、肝臓や腎臓で活性化される。

- 腸管からのカルシウム・リン吸収促進
- 腸管でのカルシウム・リン吸収を促進 → 血中Ca・Pを上昇。
- 骨吸収の亢進・骨形成の調節
- 骨芽細胞上のVDRを介し、間接的に破骨細胞を刺激して骨リモデリングを調節。
- 副甲状腺ホルモン(PTH)分泌抑制
- 血中Caが上がることでPTH分泌を抑制し、骨吸収の過剰を抑える。
活性型ビタミンD₃製剤には、大きく「カルシトリオール類(1,25-(OH)₂D₃)」「1α-ヒドロキシビタミンD₃類」「誘導体(エルデカルシトールなど)」に分類できる。
3-1. カルシトリオール類
- 代表例:カルシトリオール(商品名:ロカルトロール®など)
- 特徴:
- すでに最活性型であるため、投与後速やかに腸管吸収・骨代謝に作用。
- 生体内半減期は20〜30時間程度と比較的短く、血中濃度の急上昇・急降下が起こりやすい。
- 腎機能低下者にも使用可能だが、投与量超過時は急激な高カルシウム血症を引き起こしやすい。
3-2. 1α-ヒドロキシビタミンD₃類
- 代表例:アルファカルシドール(1α-OH-D₃、商品名:ワンアルファ®など)
- 特徴:
- 投与後、主に肝臓(25位)で1回のヒドロキシ化を受けてカルシトリオールに変換されるプロドラッグ様製剤。
- カルシトリオールに比べて半減期はやや長く(約40〜50時間)安定した血中濃度が得られやすい。
- 軽度〜中等度の腎機能低下患者では自己活性化が残存するため有効。末期腎不全ではほとんど活性化されず、カルシトリオール製剤を選択する。
3-3. エルデカルシトール(誘導体)
- 代表例:エルデカルシトール(商品名:エディロール®)
- 特徴:
- 化学構造上、分子側鎖にメチル基などが導入されることでビタミンD受容体への親和性が向上し、骨リモデリングに対して骨形成促進作用がやや強く出る。
- 半減期は約53時間と比較的長く、安定した血中濃度の維持に適する。
- 腎機能低下者でもそのまま作用を発揮できるが、高用量投与時には高カルシウム血症リスクがやや高い。
- 骨芽細胞への直接的な活性化効果が強いため、骨密度上昇作用も期待される。
- 骨粗鬆症の補助療法(主にビスホスホネートなどと併用)
- CKD-MBD(二次性副甲状腺機能亢進症を伴う慢性腎臓病)
- 低用量
- 術後急性低カルシウム血症(例:甲状腺手術後)
- 原発性低カルシウム血症・偽性副甲状腺機能低下症
- 骨軟化症・くる病(消化吸収不良例など)
- 高カルシウム血症・高リン血症:投与前後にCa・Pをこまめに測定し、異常時は減量または中止。
- 腎機能低下例でのリスク増大:透析患者ではより低用量・投与間隔延長、透析液カルシウム調整が必要。
- PTH過度抑制:骨リモデリング抑制が強まると骨質低下の恐れ → PTH・骨代謝マーカーをモニタリング。
- 軟部組織石灰化:Ca×Pが高値になると血管・組織に石灰化 → リン吸着薬や食事指導でCa×Pを管理。
- 急性低カルシウム血症時:まず経静脈カルシウム製剤を用い、維持期で活性型D₃を併用。
- CKD末期の2次性HPT:自己活性化が困難なため、活性型D₃が第一選択。
- 骨粗鬆症第一選択薬(ビスホスホネートやデノスマブ)との併用:骨密度増加や補助的なカルシウム吸収目的で併用検討。
- 高リン血症が顕著な場合:リン吸着薬でPをコントロールしてから、活性型D₃を開始。
ポイント: