Koracevic G, Hypertens Res (2020)
Title(英語と日本語)
Beta blocker rebound phenomenon is important, but we do not know its definition, incidence or optimal prevention strategies
β遮断薬リバウンド現象は重要だが、その定義、発生率、最適な予防戦略は不明である
Journal Name & Publication Year(雑誌名と発行年)
Hypertension Research, 2020年
First and Last Authors(最初と最後の著者)
Goran Koracevic, Zaklina Ristic
First Affiliations(最初の所属)
Department for Cardiovascular Diseases, Clinical Center Nis, Nis, Serbia
Abstract(要旨)
このナラティブレビューの目的は、β遮断薬(BB)リバウンド現象に関する科学的情報の必要性とその入手可能性、さらにガイドラインや文献にどれほど詳細に記載されているかを検討することである。BBリバウンド現象は危険を伴い、突然のBB中止により冠動脈疾患に関連するイベントのリスクが4倍に上昇し、心不全患者では院内死亡率が上昇、狭心症発作の誘発や心筋梗塞後の死亡・再入院リスクの増加が報告されている。しかし、その定義、発生率、予防戦略については合意が得られておらず、ガイドラインにおいても言及は限定的である。
Background(背景)
BBは重要な降圧薬であるが、他の降圧薬と比較して持続率が低く、副作用の頻度が高いことが理由とされる。BBの突然中止により心血管イベントが誘発されるリスクがあり、そのリスクは過去の研究で示唆されている。
Methods(方法)
PubMed、Springer、Science Directなどの複数のデータベースで関連文献を検索し、ナラティブレビュー形式で分析。ランダム化比較試験(RCT)が存在しないため、メタアナリシスは行われていない。
Results(結果)
BBリバウンドに関する文献は非常に少なく、過去10年でPubMedにおける該当文献は皆無。BBリバウンドの定義は統一されておらず、発生率も不明である。患者によっては心拍数や血圧の急上昇、狭心症、心不全の悪化などの有害事象が起きる可能性がある。高用量BB使用者、突然の中止、患者の非遵守などがリスク要因とされる。
Discussion(考察)
BBリバウンドは潜在的に致死的であるにも関わらず、現行のガイドラインには十分な記載がない。より明確な定義とRCTによる評価が求められる。BB治療中止による急性イベントの評価も研究の必要性が高い。
Novelty compared to previous studies(従来研究との新規性)
BBリバウンドに関する定義、発生率、予防策の欠如に焦点を当てて総括的にレビューした初めての論文の一つであり、文献の系統的な不足を明らかにした。
Limitations(限界)
RCTが存在しないため、証拠の質が低く、ナラティブレビューにとどまる。定義の不統一により、発生率の算出も困難である。
Potential Applications(応用可能性)
臨床医がBB中止時のリスクを認識し、患者への説明と慎重な投薬中止が可能となる。将来的にはガイドラインに明確な指針を組み込むための基盤となる可能性がある。