第一世代(FGA)/定型抗精神病薬

第一世代(FGA)/定型抗精神病薬

どんな薬?

  • 目的:統合失調症や双極性障害の「陽性症状」(幻覚・妄想など)を抑える
  • 代表例:ハロペリドール(商品名:セレネースなど)、クロルプロマジン(商品名:ウィンタミンなど)、フルフェナジンなど
 

どのように効く?

  1. ドパミン受容体をブロック
    1. 脳内のD₂(ドパミン2型)受容体にくっつき、過剰なドパミン神経の興奮を抑える
  1. 中脳-辺縁系の働きを調整
    1. 幻覚や妄想のもととなる神経回路を鎮める
  1. その他の神経伝達物質にも一部作用
    1. アセチルコリンやヒスタミン受容体への影響で、眠気や口の渇きが出やすいこともある
 

どんな特徴がある?

  • 即効性:比較的速く症状が和らぐ場合がある
  • 安価:ジェネリックが多く、経済的負担が小さい
  • 副作用リスクが高め:特に運動障害(錐体外路症状)が出やすい
  • 血中濃度の管理がしやすい:モニタリングしながら調整可能
 

使う時の注意点・副作用

注意点・副作用どう対策する?
① 錐体外路症状(ふるえ、硬直、動作緩慢)・初期は少量から始め、徐々に増量・抗コリン薬(ビペリデンなど)を併用
② 遅発性ジスキネジア(口や手足の不随意運動)・定期的に評価し、症状が出たら薬剤見直し・可能なら低用量に変更
③ 高プロラクチン血症(乳汁分泌、不妊、性機能低下)・症状が強い場合は他薬への切り替え検討・婦人科・泌尿器科で相談
④ 眠気・鎮静作用・就寝前投与に変更・日中の運転・機械操作は注意
⑤ 体重増加・代謝異常・バランスの良い食事、定期的な運動・血糖・脂質検査を定期的に

どんな時に使うのか?

  • 幻覚や妄想が強く、日常生活や社会活動に支障がある場合
  • 不安・興奮が激しく、落ち着かせたいとき
  • 他の薬剤(第二世代抗精神病薬)が使えない場合の代替として
 

日常生活で気をつけること

  • 転倒予防:筋肉のこわばりやふらつきで転びやすいので、室内の段差をなくす
  • 水分・塩分バランス:熱中症リスクが上がるため、こまめに水分補給
  • 規則正しい生活:睡眠リズムを整え、疲労をためない
  • 定期受診と検査:血液検査や錐体外路症状のチェックを必ず受ける
  • 家族や周囲への理解依頼:副作用や症状の変化を伝え、サポート体制をつくる
 

まとめ

第一世代抗精神病薬は、幻覚・妄想などの「陽性症状」を抑える効果が高い一方で、錐体外路症状や代謝異常などの副作用が出やすい薬です。使い始めは少量から、効果や副作用の程度を見ながら調整していきます。日常生活では転倒や熱中症に注意し、定期的な受診と検査を欠かさずに。服薬は医師・薬剤師の指示を守り、家族や周囲の理解と協力を得ながら継続することが大切です。