ヒト型抗RANKLモノクローナル抗体
薬効群
RANKL(Receptor Activator of Nuclear Factor κB Ligand)を標的として中和する完全ヒト型モノクローナル抗体。破骨細胞の分化・活性化を阻害し、骨吸収を抑制する。
RANKLとその受容体RANKの結合を阻止することで、破骨細胞前駆細胞の分化や成熟を抑え、骨吸収を強力に抑制。結果として骨密度が上昇し、骨折リスクが低減する。
- 骨吸収抑制作用
- 骨粗鬆症:骨密度を上昇させ骨折リスクを低減させる
- がん・骨転移
- 痛みの軽減
- 骨折の予防
- 脊髄圧迫の予防
- 高カルシウム血症の予防
がん・骨転移
がんや骨転移ではRANKLの発現が亢進し、破骨細胞の異常活性化 → 骨吸収の亢進 → 骨脆弱性・疼痛・高カルシウム血症などの症状が起こります
ランマークはこの流れを上流でブロックし、破骨細胞による骨破壊を防ぐことで、以下のようなSRE(Skeletal-Related Events:骨関連事象)を減少させます
ランマークとプラリアの違い
| 項目 | ランマーク(ランマーク皮下注120mg) | プラリア(プラリア皮下注60mg) |
|---|---|---|
| 一般名 | デノスマブ(Denosumab)120mg | デノスマブ(Denosumab)60mg |
| 作用機序 | RANKL(破骨細胞分化因子)を阻害し、骨吸収抑制 | 同上 |
| 主な適応症 | ●がんによる骨病変(骨転移など)●巨大細胞腫●多発性骨髄腫に伴う骨病変 | ●骨粗鬆症(閉経後・男性・ステロイド性)●骨折リスクの高い骨粗鬆症患者 |
| 用量 | 120mgを4週に1回皮下注 | 60mgを6か月に1回皮下注 |
| 併用推奨 | カルシウム・ビタミンD | 同左 |
| 主な副作用 | 低カルシウム血症、顎骨壊死、過敏症反応など | 同上(ただし高頻度ではない) |
| 注意点 | 骨代謝回転が非常に抑制されるため、骨修復遅延や骨折の治癒遅延にも注意が必要 | 投与中止後に椎体骨折のリバウンドが起こることがある |
| 保険適用 | がん関連疾患 | 骨粗鬆症関連疾患 |
- 骨粗鬆症:閉経後骨粗鬆症・男性骨粗鬆症・ステロイド性骨粗鬆症。骨折リスク高い患者で第一選択またはビスホスホネート不耐症例。
- がん性骨転移:乳がんや前立腺がん、多発性骨髄腫患者の骨関連イベント予防。
- 骨巨細胞腫:腫瘍による骨破壊抑制。
- 骨代謝異常症:高カルシウム血症(乳がん骨転移など)で一時的に使用。
- 低カルシウム血症:投与前に血清Ca・ビタミンDを確認し、必要に応じて補充。
- 顎骨壊死(ONJ):長期投与や抜歯など侵襲的歯科処置前後はリスク増大。歯科受診・口腔ケアが必須。
- 大腿骨近位部の非定型骨折:長期使用例で報告あり。下肢痛の有無を確認し、疑わしければ画像検査を実施。
- 感染症リスク増加:皮膚感染や上気道感染の報告あり。感染症徴候がある場合は投与を見合わせる。
- 投与中断後の反跳骨吸収:中止するとPTH増加・骨吸収亢進が起こるため、他剤(ビスホスホネートなど)へのスイッチを検討。
- ビスホスホネート製剤:消化管障害や腎機能低下例ではデノスマブ優先。
- 活性型ビタミンD₃製剤:骨代謝補助として併用し、低カルシウム血症を防止。
- テリパラチドなど骨形成促進薬:高度骨粗鬆症で骨形成が最優先の場合に併用または切り替え検討。
ポイント: