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SGLT2阻害薬

SGLT2阻害薬

どんな薬?

  • SGLT2(ナトリウム・グルコース共輸送体2)阻害薬は、腎臓でのブドウ糖再吸収を妨げ、尿中に糖を排泄させることで血糖を下げる経口血糖降下薬です。
  • 代表的な薬剤には、カナグリフロジン(商品名:カナグル)、ダパグリフロジン(商品名:フォシーガ)、エンパグリフロジン(商品名:ジャディアンス)などがあります。

どのように効く?

  1. 腎臓の糖の再吸収を抑える
      • 通常、腎臓の近位尿細管で血液中のブドウ糖の約90%がSGLT2によって再吸収されます。
      • SGLT2阻害薬はこの輸送体をブロックし、再吸収を減らすことで、余分なブドウ糖を尿中へ排泄させます。
  1. 余分な糖を尿と一緒に排出
      • 結果として血糖値が下がり、同時に体内の余分なエネルギー(カロリー)も排泄されるため、体重減少にもつながります。

どんな特徴がある?

  • インスリン非依存性作用:インスリン分泌能力に左右されずに働くため、β細胞への負担が少ない。
  • 低低血糖リスク:単独使用では重大な低血糖は起こりにくい(ただし他薬併用時は注意)。
  • 体重減少効果:エネルギー損失によるほか、利尿作用による体重減少も一因。
  • 血圧低下効果:ナトリウム排泄促進による適度な利尿で血圧が下がる。
  • 心・腎保護効果:心血管イベントや腎機能悪化を抑えるエビデンスがある。

使う時の注意点・副作用

  • 尿路・性器感染症
    • 糖が尿中に多く存在すると、菌やカンジダが増殖しやすくなり、膀胱炎や外陰部カンジダ症が起こりやすい。
    • 対策:
      • 排尿後や性器洗浄時に清潔を保つ
      • 通気性の良い下着を選ぶ
      • かゆみ・痛みが出たら早めに受診
  • 脱水・低血圧
    • 利尿作用により体内の水分・ナトリウムが減り、立ちくらみ・低血圧を引き起こすことがある。
    • 対策:
      • 十分な水分補給を心がける
      • 長時間の入浴や激しい発汗時は要注意
  • ケトアシドーシス
    • 稀に、血糖値がそれほど高くなくても(euglycemic)ケトン体が増え、酸性血症を起こすことがある。
    • 対策:
      • 急な食事制限や絶食時、嘔吐下痢で食事が取れない時は一時中止
      • 体調不良時は医師に相談
  • 腎機能低下
    • 重度の腎障害(eGFR低下例)では薬が効きにくくなり、また薬の安全性にも注意が必要。
    • 対策:
      • 投与前後の腎機能検査を定期的に受ける
      • eGFRが十分以上あることを確認してから開始

どんな時に使うのか?

  • 体重増加や高血圧も合併している2型糖尿病の方。
  • 心血管疾患や慢性腎臓病リスクのある患者さんの糖尿病管理。
  • 他の経口薬やインスリンで十分な血糖改善が得られない場合の追加療法。

日常生活で気をつけること

  • 水分補給:利尿作用で脱水になりやすいため、こまめに水分を摂取しましょう。
  • 体調急変時の中止:激しい嘔吐下痢や高熱時は、脱水やケトアシドーシス防止のために服用を一時中止し、医師へ相談。
  • 清潔保持:特に性器や下着の衛生管理に注意し、感染症予防を徹底。
  • 定期的検査:血糖値だけでなく、腎機能(eGFR)、ケトン体、血圧も定期的にチェック。
  • 運動・食事管理:適度な運動とバランスの良い食事で、脱水や低血圧リスクを減らしながら血糖コントロールを強化。

まとめ

SGLT2阻害薬は、おしっこに糖を捨てることで血糖を下げ、体重やむくみも改善しやすいお薬です。とくに心臓や腎臓にも良い影響が期待できますが、脱水や感染症に注意して、定期的な検査と合わせて安全に使いましょう。気になることがあれば、医師や薬剤師にご相談くださいね。