抗うつ薬(第二世代)
薬効群
第二世代抗うつ薬は、三環系抗うつ薬(TCA)や四環系抗うつ薬(TeCA)などの第一世代に比べて、副作用が軽減され、選択性が高い薬剤群を指します。主に1980年代以降に開発され、日本では1990年代から本格的に使用されています。
- SSRI:セロトニントランスポーター(SERT)を阻害 → シナプス間隙のセロトニン濃度を上昇。
- SNRI:SERTとノルアドレナリントランスポーター(NET)を阻害 → セロトニンとノルアドレナリン濃度を上昇。
- NaSSA:α₂自己受容体・ヘテロ受容体を遮断し、5-HT1A/2A・α1受容体刺激を増強 → セロトニンとノルアドレナリンの放出促進。
- 抗うつ効果:TCAと同等以上とされるが、忍容性が高く使用しやすい。
- 抗不安効果:SSRI・SNRIは不安障害にも適応。
- 鎮静作用:NaSSA(例:ミルタザピン)は強い鎮静効果を持つ。
- 自律神経系への影響:TCAに比べ抗コリン作用・心毒性が軽減。
受容体と臨床的な意味合い
- 5-HT↑
- (薬理作用)抗不安
- NA↑
- (薬理作用)「意欲低下・倦怠感」には、NA作用をもつSNRIやNaSSAが有効と言われている
- 抗ACh(アセチルコリン)
- (副作用)抗コリン作用→高齢者では口渇などが起こりやすいので、原則、使われない
- 抗α1(アドレナリン)
- (副作用)交感神経抑制→高齢者では、たちくらみ・転倒などの自律神経症状や、心毒性(抑制する、徐脈)に注意が必要
- 抗H1(ヒスタミン)
- (副作用)ヒスタミン神経抑制→眠気・ふらつき
- 体重増加(副作用でもあり、高齢者ではメリットとしても捉えられている)

- うつ病・うつ状態
- 全般性不安障害、強迫性障害、パニック障害(特にSSRI)
- 社会不安障害
- 慢性疼痛(SNRI:デュロキセチン)
- 睡眠障害を伴ううつ病(NaSSAが選択されやすい)
- SSRI:悪心・下痢・性機能障害、初期不安の悪化(アカシジア様)。
→ 対策:少量開始・漸増、ベンゾジアゼピン併用を短期間で検討。
- SNRI:悪心・血圧上昇・不眠。
→ 対策:高血圧患者は注意、朝服用推奨。
- NaSSA:鎮静・体重増加・食欲亢進。
→ 対策:夜間服用、肥満・糖尿病患者では注意。
- 全般:セロトニン症候群(発熱、振戦、意識障害)。
→ 対策:併用薬(MAOI、トリプタンなど)に注意、症状出現時は中止。
ポイント: