Cornu C, Sports Med Open. 2020 [PMID: 32346802]
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論文の要約: 「非ステロイド性抗炎症薬が健康な人のスポーツパフォーマンス指標に与える影響:ランダム化比較試験のメタアナリシス」
著者
Catherine Cornu, Clémence Grange, Amanda Regalin, Justine Munier, Sonia Ounissi, Natane Reynaud, Behrouz Kassai-Koupai, Pierre Sallet, Patrice Nony
背景
NSAID(非ステロイド性抗炎症薬)はアスリートによく使用されますが、そのスポーツパフォーマンスに対する影響は明確ではありません。この研究は、NSAIDがスポーツパフォーマンス指標に与える影響を系統的レビューとメタアナリシスを通じて評価することを目的としています。
方法
- 研究選択: PubMedおよびCochrane Libraryからのランダム化比較試験(RCT)
- 参加者: 健康な成人男性および女性
- 介入: 任意の経路、任意の期間で運動前に摂取された任意のNSAID
- 比較: プラセボ、アクティブ物質、または無介入
- 結果:
- 主要結果: 運動時の最大パフォーマンス
- 二次結果: 自己申告による疲労までの時間および自己申告による痛み
- 分析: 二重盲検、単盲検、およびオープンラベルの研究を含む
結果
- 含まれた研究: 23件(並行群試験13件、クロスオーバー試験10件)でそれぞれ366人および148人の被験者
- 発見:
- NSAID群と対照群の間で、最大パフォーマンス、疲労までの時間、および自己申告による痛みに有意な差は認められなかった。
- 治療、投与量、および運動の種類における異質性が高い。
結論
- 現在のエビデンスは、スポーツパフォーマンス指標に対するNSAIDの顕著なエルゴジェニック効果(パフォーマンス向上効果)を支持していない。
- 研究における投与量と運動の多様性は現実の実践を反映していない。
- 明確な結論を導くためには、さらなる研究が必要である。
キーワード
- 抗炎症薬
- 非ステロイド性
- アスリートのパフォーマンス
- 健康なボランティア
- スポーツにおけるドーピング
ライセンス
- この記事はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CC BY 4.0)でライセンスされています。
主なポイント
- 低品質のエビデンス: 含まれた研究はエビデンスの質が低く、投与量と運動の種類に異質性が見られる。
- 明確なエルゴジェニック効果は認められない: メタアナリシスでは、スポーツパフォーマンス指標に対するNSAIDの顕著なエルゴジェニック効果を示すことができなかった。
- アスリートによる頻繁な使用: パフォーマンス向上の明確なエビデンスがないにもかかわらず、NSAIDは痛みの管理と回復促進のために広く使用されている。
実践的な意味
アスリートや医療専門家は、パフォーマンス向上のためにNSAIDを使用する際に、その効果に対する明確なエビデンスがないことと、関連する健康リスクを考慮する必要があります。NSAIDがアスリートのパフォーマンスに与える真の影響を理解するためには、より厳密で標準化された研究が必要です。
研究の背景:
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、アスリートによって頻繁に使用される薬物です。NSAIDsは炎症を抑え、痛みを和らげる効果がある一方で、胃腸や腎臓、心血管系に副作用を引き起こすリスクもあります。アスリートの間でNSAIDsがパフォーマンス向上のために使用されることがありますが、実際にパフォーマンスを向上させるかどうかは明確ではありません。この研究は、NSAIDsがスポーツパフォーマンスに与える影響を評価するために行われました。
研究デザイン:
この研究は、NSAIDsがスポーツパフォーマンスに与える影響を評価するためのシステマティックレビューおよびメタアナリシスです。PubMedおよびCochrane Libraryのデータベースからランダム化比較試験を選びました。対象となるボランティアは健康な成人男性および女性であり、あらゆるNSAIDsの経路、用量、運動前に投与されたものが含まれます。対照群はプラセボ、他の有効物質、または介入なしのいずれかで、二重盲検、単盲検、およびオープンラベルの研究が含まれました。一次アウトカムは各研究で定義された最大パフォーマンスで、二次アウトカムは自己報告による疲労までの時間および自己報告による痛みでした。
PICO まとめ:
- Patient(患者): 健康な成人男女
- Intervention(介入): NSAIDsの使用
- Comparison(比較): プラセボ、他の有効物質、または介入なし
- Outcome(アウトカム): 最大パフォーマンス、自己報告による疲労までの時間、自己報告による痛み
研究結果:
ランダム化比較試験のメタアナリシスに基づく結果、NSAIDsと対照群の間で最大パフォーマンスに有意差は見られませんでした。自己報告による疲労までの時間や自己報告による痛みについても有意な差はありませんでした。一次アウトカムは最大パフォーマンスでしたが、全体的にNSAIDsの使用がスポーツパフォーマンスを向上させる証拠は低いと結論付けられました
重篤な有害事象:
研究では、NSAIDsの使用に関連する重篤な有害事象の報告は特に言及されていませんでしたが、一般的な副作用として、胃腸、腎臓、心血管系のリスクがあることが記載されています。
研究の限界:
論文のディスカッション部分では、以下のような研究の制限が考察されています:
- 研究の質が低い
- 使用されたNSAIDsの用量が異質であり、現実の使用状況と異なる
- 実施された運動の種類が異なる これらの制限により、NSAIDsがスポーツパフォーマンスに与える効果を結論付けることは困難です
内容のまとめ:
この研究は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)がスポーツパフォーマンスに与える影響を調査するためのものです。健康な成人男女を対象とし、様々なNSAIDsを運動前に使用することで、最大パフォーマンスや疲労、痛みの自己報告に与える影響を評価しました。結果として、NSAIDsの使用がスポーツパフォーマンスを向上させるという明確な証拠は得られませんでした。また、使用されたNSAIDsの用量や運動の種類が異なり、実際の使用状況と異なる点が制限となっています