糖尿病性腎症

糖尿病性腎症 (DKD)

3ステップで理解する臨床薬理

病気を知る

DKD(Diabetic Kidney Disease)

糖尿病により腎臓(特に糸球体)が慢性的に障害される疾患。

ポイント

  • 高血糖 → 糸球体の過剰な圧・炎症 → 腎機能低下
  • アルブミン尿の有無に関係なく進行するのが近年の考え方
  • 末期腎不全・心血管イベントのリスクが高い

治療における薬物療法の位置づけ

  • 血糖・血圧・腎保護を同時に狙う治療
  • 生活療法+薬物療法を早期から併用するのが基本
 

薬を知る

DKD の 4pillar
腎臓を壊す流れを一つずつ止める」→「腎を守るために段階的に積み上げる」進行抑制セット
RAAS阻害(ACE阻害薬 / ARB)
作用機序
  • 輸出細動脈拡張 → 糸球体内圧↓
  • アルブミン尿を減らす
代表的副作用
  • 高K血症
  • 腎機能悪化(開始初期)
SGLT2阻害薬
作用機序
  • 近位尿細管でのNa再吸収↓
  • 糸球体内圧↓ → 腎保護
代表的副作用
  • 脱水、尿路・性器感染
  • ケトアシドーシス(まれ)
ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(非ステロイド型含む)
非ステロイド型MRA
  • フィネレノン
作用機序
  • 炎症・線維化抑制 → 腎・心保護
代表的副作用
  • 高K血症
血糖管理(GLP-1受容体作動薬など)
 
 

薬を使う(注意点とアセスメント)

使用時の注意点

  • 脱水時(発熱・食事摂取不良)はSGLT2阻害薬に注意
  • 腎機能低下時は用量・継続可否を確認
  • 複数薬併用 → 高K血症リスク↑

重要なアセスメント項目

  • 尿量・体重変化
  • 血圧(特に起立性低血圧)
  • eGFR、尿アルブミン
  • 食事量・水分摂取量
  • 倦怠感・浮腫の有無