アニフロルマブ(遺伝子組換え)

サフネロー皮下注120mgオートインジェクター(一般名:アニフロルマブ)は、2026年2月に新投与経路医薬品(皮下投与)として承認されました。
既存の点滴静注製剤(サフネロー点滴静注300mg、2021年承認)に加え、患者さん自身が自宅で投与できる皮下注射タイプが新たに加わりました。
I型インターフェロン(IFN)受容体のサブユニット1(IFNAR1)に結合し、I型IFNの活動を阻害する完全ヒト型モノクローナル抗体です。
1. 効能・効果
  • 既存治療で効果不十分な全身性エリテマトーデス(SLE)
    • ステロイド、免疫抑制薬等による適切な治療を行っても疾患活動性を有する場合に、上乗せして投与します。
    • 抗核抗体、抗dsDNA抗体等の自己抗体が陽性であることの確認が必要です。
2. 主な特徴
  • 自宅で自己投与が可能: オートインジェクターにより、通院せず患者さん自身が皮下注射できます。点滴静注(4週ごとの通院)と比べ、通院負担の軽減が期待されます。
  • I型IFNシグナルを包括的に阻害: IFN-α、IFN-β、IFN-κなどI型IFN全体の受容体に作用し、SLEの疾患活動性に関与するサイトカインを広く抑制します。
  • SLE疾患活動性の改善+ステロイド減量: 臨床試験で皮膚・関節症状を含む全般的な疾患活動性の改善と、経口ステロイド減量効果が示されています。
3. 用法・用量
  • 皮下注(本剤): 通常、成人にはアニフロルマブ(遺伝子組換え)として、1回120mgを1週間ごとに皮下注射します。
  • (参考)点滴静注製剤:300mgを4週間ごとに30分以上かけて点滴静注。
4. 主な副作用
  • 重大な副作用:
    • アナフィラキシー(頻度不明)
    • 重篤な感染症(1.7%):肺炎、播種性帯状疱疹等
  • その他の副作用: 気管支炎、上気道感染(上咽頭炎、咽頭炎)、帯状疱疹、気道感染など
  • RMP 重要な特定されたリスク: 帯状疱疹
5. 注意点
  • 併用注意: I型インターフェロン製剤(IFN-α、IFN-β)との併用で両剤の効果が減弱するおそれがあります。
  • 他の生物製剤との併用は避けることが望ましいとされています。
  • タクロリムス・シクロホスファミドとの併用における有効性・安全性は検討されていません。
  • 活動性かつ重症のループス腎炎・中枢神経ループスを有する患者に対する有効性・安全性は検討されていません。
  • 感染症リスク: 投与中は帯状疱疹を含む感染症の発現に注意し、重篤な感染症が発現した場合は投与中止を検討します。
6. 臨床試験成績(TULIP SC試験)
  • 国際共同第III相試験(日本人26例含む367例)
  • 主要評価項目(52週時BICLA達成率):
    • サフネロー皮下注120mg群:59.4%
    • プラセボ群:43.9%
    • 群間差 15.5%(96.46% CI: 1.4–29.6%、p=0.0211)

点滴静注製剤に加え、自己投与可能な皮下注製剤が登場したことで、SLE患者さんの治療継続性と利便性の向上が期待されています。