ツカチニブ エタノール付加物
HER2 を標的とする低分子の可逆的チロシンキナーゼ阻害剤

ツカイザ錠(一般名:ツカチニブ)は、2026年2月に承認された最新の抗悪性腫瘍剤(分子標的薬)です。
主に、がん細胞の増殖に関わる「HER2(ヒト上皮増殖因子受容体2型)」というタンパク質を標的とするHER2チロシンキナーゼ阻害剤に分類されます。
1. 効能・効果
- HER2陽性の手術不能または再発乳癌 (過去に化学療法を受けたことがある患者さんが対象です)
2. 特徴・作用機序
- 高い選択性: HER2に対して非常に選択性が高く、他の類似したタンパク質(EGFRなど)への影響を抑えるように設計されています。これにより、EGFR阻害に伴う下痢や皮膚障害といった副作用の軽減が期待されています。
- 脳転移への期待: 低分子医薬であるため、HER2陽性乳がんで問題となりやすい「脳転移」に対しても効果が期待されている薬剤です。
- 3剤併用療法: 単独ではなく、通常は「トラスツズマブ(点滴)」および「カペシタビン(経口薬)」と組み合わせて使用されます。
3. 用法・用量
- 通常、成人には1回300mg(150mg錠を2錠など)を1日2回経口投与します。
- 毎日ほぼ同じ時刻に服用し、食事に関係なく服用可能です。
4. 主な副作用
- 頻度の高いもの: 下痢、悪心(吐き気)、嘔吐、疲労、食欲減退など。
- 重大な副作用: 肝機能障害(AST、ALTの上昇など)や、間質性肺疾患、重度の下痢などが報告されています。服用中は定期的な血液検査が必要です。
5. 製剤ラインナップ
- ツカイザ錠50mg
- ツカイザ錠150mg
既存の治療(トラスツズマブ デルクステカンなど)の後の新たな選択肢として、特にHER2陽性乳がんの治療において重要な役割を果たすことが期待されている薬剤です。