妊婦
リスクとベネフィット
ベネフィット(薬を使ったほうが良い場合)
- 児の健康な発育のため:例えば、てんかんの妊婦は、発作が胎児に影響する可能性があるため、発作が起きないように適切な薬物治療を続けることが大切
- 母体の治療効果:例えば、うつ病治療をやめた場合、再発率が高い。胎児の悪影響を最小限にしつつ、適切な治療を受けることが重要
リスク(薬を使うことの危険性)
- 胎児への悪影響:催奇形性・胎児毒性
- 母体の副作用:副作用ができるだけ少ないように配慮し、早期発見・対処が重要
慢性疾患で治療中の方が妊娠を希望する場合、妊娠前から胎児への悪影響が少ない薬への切り替えなどの対策が必要。患者さんの希望を把握したら、医療チームで情報共有することが非常に重要。
妊娠時期と薬の影響
薬の影響は妊娠時期によって異なる。
| 時期 | 妊娠週数 | 薬の影響 |
|---|---|---|
| 妊娠3週まで | 0~3週 | All or None の法則:多くの細胞が障害されれば妊娠が成立しない。小さい障害は修復され影響なく妊娠成立する |
| 絶対過敏期 | 4~7週 | 中枢神経・心臓・消化器・四肢などの重要臓器が作られる時期。催奇形性に最も敏感 |
| 相対過敏期 | 8~15週 | 重要な器官形成は終了だが、性器の分化・口蓋の閉鎖などが行われるため、催奇形性に慎重であるべき時期 |
| 潜在過敏期 | 16週以降 | 胎児毒性が問題となる時期 |
妊娠の週数によって薬の影響が異なるため、「以前大丈夫と言われたから今も大丈夫」とは限らない。その時々で薬の影響を確認した上で説明する必要がある。