経口投与(内服, p.o.)
経口投与(内服)とは、口から薬を投与し、消化管から吸収させる最も一般的な投与法。多くは全身作用を目的とする。注射に比べて低侵襲で簡便だが、食事・胃腸の状態・併用薬などにより吸収が変化しやすい。
- 薬は口腔から嚥下され、胃〜小腸で吸収されて門脈を経由し肝臓へ到達する
- 薬によっては初回通過効果(肝代謝)により、血中へ入る量が減る
| 経口投与 | 参考:静脈投与 | 参考:直腸投与 | |
|---|---|---|---|
| 投与部位 | 口腔→消化管 | 静脈内 | 直腸 |
| 効果発現 | 30分〜2時間(薬により差) | 即時 | 中等度(吸収にばらつき) |
| 全身への影響 | 大きい(全身作用が基本) | 最も大きい | 全身作用(薬により) |
| 初回通過効果 | 受ける | 受けない | 一部受けにくい場合がある |
| 投与の簡便さ | 最も簡便(自己管理しやすい) | 医療者による投与 | 内服困難時の代替になりうる |
メリット
- 簡便で患者の受け入れが良い
- 無菌操作が不要で安全性が高い
- 自己管理しやすく、慢性疾患の長期治療に向く
デメリット
- 食事・胃腸機能・併用薬で吸収が変わる
- 初回通過効果の影響を受ける薬がある
- 嘔吐・意識障害・嚥下障害では不適
- 飲み忘れ(アドヒアランス)が問題になりやすい
| 剤形 | 特徴 | 例 |
|---|---|---|
| 錠剤・カプセル | 最も一般的 | 多くの内服薬 |
| 散剤・シロップ | 小児・嚥下が難しい場合など | シロップ剤、粉薬 |
| 徐放製剤 | 効果を長く保つ(粉砕不可が多い) | CR、SRなど |
| 腸溶製剤 | 胃で溶けず小腸で溶ける(粉砕不可が多い) | 腸溶錠 |
- 目的(毎日継続/症状時のみ)を確認して説明する
- 服薬タイミング(食前/食後/就寝前など)と理由を共有する
- 粉砕・かみ砕きの可否を確認する(徐放・腸溶は原則不可)
- 服薬状況(飲み忘れ、自己調整)と副作用の観察
- 誤嚥リスクの評価(高齢者・脳血管障害など)