経口投与(内服, p.o.)

経口投与(内服, p.o.)

① 概要

経口投与(内服)とは、口から薬を投与し、消化管から吸収させる最も一般的な投与法。多くは全身作用を目的とする。注射に比べて低侵襲で簡便だが、食事・胃腸の状態・併用薬などにより吸収が変化しやすい。

② 吸収の仕組みと投与経路の比較

  • 薬は口腔から嚥下され、胃〜小腸で吸収されて門脈を経由し肝臓へ到達する
  • 薬によっては初回通過効果(肝代謝)により、血中へ入る量が減る
経口投与参考:静脈投与参考:直腸投与
投与部位口腔→消化管静脈内直腸
効果発現30分〜2時間(薬により差)即時中等度(吸収にばらつき)
全身への影響大きい(全身作用が基本)最も大きい全身作用(薬により)
初回通過効果受ける受けない一部受けにくい場合がある
投与の簡便さ最も簡便(自己管理しやすい)医療者による投与内服困難時の代替になりうる

③ メリットとデメリット

メリット

  • 簡便で患者の受け入れが良い
  • 無菌操作が不要で安全性が高い
  • 自己管理しやすく、慢性疾患の長期治療に向く

デメリット

  • 食事・胃腸機能・併用薬で吸収が変わる
  • 初回通過効果の影響を受ける薬がある
  • 嘔吐・意識障害・嚥下障害では不適
  • 飲み忘れ(アドヒアランス)が問題になりやすい

④ 剤形による分類(例)

剤形特徴
錠剤・カプセル最も一般的多くの内服薬
散剤・シロップ小児・嚥下が難しい場合などシロップ剤、粉薬
徐放製剤効果を長く保つ(粉砕不可が多いCR、SRなど
腸溶製剤胃で溶けず小腸で溶ける(粉砕不可が多い腸溶錠

⑤ 看護のポイント(観察事項)

  • 目的(毎日継続/症状時のみ)を確認して説明する
  • 服薬タイミング(食前/食後/就寝前など)と理由を共有する
  • 粉砕・かみ砕きの可否を確認する(徐放・腸溶は原則不可)
  • 服薬状況(飲み忘れ、自己調整)と副作用の観察
  • 誤嚥リスクの評価(高齢者・脳血管障害など)