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ドネペジル

成分名:ドネペジル塩酸塩

分類:コリンエステラーゼ阻害薬(AChE阻害薬)

経口剤

  • アリセプト錠(3mg・5mg・10mg)
  • アリセプトD錠(口腔内崩壊錠 3mg・5mg・10mg)
  • アリセプト細粒・ドライシロップ
  • アリセプト内服ゼリー
  • 適応:アルツハイマー型認知症・レビー小体型認知症
  • 軽度〜高度まで幅広い段階で使用

貼付剤

  • アリドネパッチ(27.5mg・55mg)
  • 背部・上腕部・胸部のいずれかの正常な皮膚に貼付、24時間ごとに貼り替え
  • 軽度〜中等度:27.5mg・高度:27.5mg→4週間後に55mgに増量
  • 崥下困難な患者や服薬管理が難しい患者に有用
  • 貼付部位のローテーションが必要(皮膚障害予防)
  • 消化器症状が経口剤より軽減される傾向

使用時の注意

⚠️ 作用機序
  • アセチルコリンエステラーゼ(AChE)を可逆的に阻害
  • シナプス間隙のACh分解↓ → ACh濃度↑ → コリン作動性神経伝達を改善
  • 認知症の 進行を遅らせる(根治ではない)
  • 3mg → 5mg → 10mg と段階的に増量(消化器副作用を軽減)

🤮 コリン作動性副作用(最重要)
  • 消化器症状:悪心・嘔吐・下痢・食欲不振(最多の副作用)
  • 徐脈:迷走神経刺激 → 洞不全症候群・房室ブロックの悪化
  • 失神:徐脈 + 血圧低下
  • 筋痙攣
  • 流涎・発汗↑

❤️ 心伝導系への影響
  • 徐脈:特に洞不全症候群やβ遮断薬併用時に注意
  • 失神エピソード → 心電図確認

💊 その他の副作用
  • 精神症状の悪化:興奮・攻撃性・不穏・不眠(特にレビー小体型)
  • パーキンソン症状の悪化(レビー小体型で注意)

🚫 注意
  • 消化性潰瘍 の既往 → コリン作動性による胃酸分泌↑
  • 気管支喘息・COPD → 気管支分泌↑・気管支収縮
  • てんかん → 痙攣閾値↓の可能性
🩺

看護師向け:観察事項

🧠 認知機能・ADLの評価
  • 認知機能 の変化:MMSE・HDS-Rのスコア推移
  • 日常生活動作(ADL):食事・着替え・入浴・排泄の自立度
  • BPSD(行動・心理症状):徘徊・暴言・妄想・幻覚の変化
  • 効果判定には 数週間〜数ヶ月 かかることを家族に説明

🤮 消化器症状の観察
  • 悪心・嘔吐・下痢・食欲不振 → 最多の副作用
  • 増量直後(3mg→5mg、5mg→10mg時)に出やすい
  • 食事摂取量・体重変化の記録
  • 症状が強い場合 → 減量・中止を医師に相談

❤️ 心拍数・循環動態の観察
  • 脈拍測定:徐脈の有無(特に増量時)
  • 失神・めまい の訴え → 心電図確認
  • β遮断薬・Ca拮抗薬(ベラパミル等)併用時 → 徐脈リスク↑

💊 服薬管理
  • 1日1回 服用(半減期が長い)
  • 認知症患者 → 服薬管理が困難 → 家族・介護者への指導
  • 飲み忘れ防止の工夫:お薬カレンダー・一包化
  • D錠(口腔内崩壊錠)・ゼリー剤 → 嚥下困難な患者に有用

📋 家族・介護者への教育
  • 認知症を 治す薬ではなく進行を遅らせる薬 であることを説明
  • 効果がわかりにくくても 自己判断で中止しない よう指導
  • BPSD悪化時(興奮・攻撃性)は医師に相談