ドパミン作動薬(ドパミンアゴニスト)<麦角系>
麦角アルカロイド誘導体を基本構造とし、脳内のD₂受容体を直接刺激しドパミン作用を補う。かつてはPD治療の中心薬だったが、心臓弁膜症(線維化) のリスクがあり、現在は 非麦角系で効果不十分または忍容性に問題がある場合のみ 使用される。ブロモクリプチン・カベルゴリンは高プロラクチン血症にも適応。
- 線条体の D₂受容体(一部D₁)にアゴニストとして結合 → ドパミン不足を補い運動症状を改善
- L-ドパと異なりドパミンへの変換が不要 → ドパミン神経の残存に依存しない
- L-ドパより半減期が長い → wearing-offが起こりにくい
- 麦角系特有:ドパミン受容体以外にも 5-HT₂B受容体 に親和性 → 心臓弁膜の不可逆的線維化 の原因
- プロラクチン分泌抑制(下垂体D₂刺激)→ 高プロラクチン血症にも適応
| 代表薬(一般名) | 先発品例 | 特徴 |
|---|---|---|
| ブロモクリプチン | パーロデル® | 最も古くから使用。PD以外に高PRL血症・先端巨大症・産褥にも適応 |
| ペルゴリド | ペルマックス® | D₁/D₂両方に作用。粉砕不可(眼刺激)。米国では市場撤退 |
| カベルゴリン | カバサール® | 長時間作用型。高PRL血症でも広く使用。防湿保管が必要 |
- 心臓弁膜症の監視(最重要):労作時息切れ・下肢浮腫・動悸・心雑音 → 定期的な心エコー検査(年1回以上)が必須
- 悪心・嘔吐(消化管D₂刺激)→ 低用量から漸増、ドンペリドン併用で軽減
- 起立性低血圧 → 転倒予防、立ち上がりはゆっくり
- 幻覚・妄想(中枢ドパミン過剰刺激)→ 用量調整、精神状態モニタリング
- 衝動制御障害(D₃受容体刺激)→ 病的賭博・買い物衝動・過食・性行動亢進。家族への情報提供、定期的問診
- 突発的睡眠(sleep attack)→ 自動車運転・危険作業の禁止
- 急な中止を避ける → 悪性症候群のリスク