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ヘパリン

成分名:ヘパリンナトリウム/ヘパリンカルシウム

未分画ヘパリン(UFH)

  • ヘパリンNa注:持続静注・間欠的静注・皮下注
  • 作用発現:静注で即効性、半減期:約1〜2時間
  • APTT でモニタリング(基準値の1.5〜2.5倍を目標)

低分子量ヘパリン(LMWH)

  • エノキサパリン(クレキサン皮下注)
  • ダルテパリン(フラグミン皮下注)
  • APTTへの影響が少なく、モニタリング不要な場合が多い
  • 抗Xa活性 でモニタリング(必要時)

使用時の注意

⚠️ 最大のリスク:出血
  • 抗凝固作用による 出血合併症 が最も重要な副作用
  • 過量投与時の拮抗薬:プロタミン硫酸塩(ヘパリンと結合して中和)

🚫 禁忌
  • 出血している患者(頭蓋内出血・消化管出血等)
  • ヘパリン起因性血小板減少症(HIT) の既往がある患者
  • 重篤な肝障害・出血性素因のある患者

💊 投与時の注意
  • APTT を定期的にモニタリング(基準値の1.5〜2.5倍に維持)
  • 筋注は 血腫形成のリスク があるため禁忌
  • 皮下注時は 腹壁 に投与(上腕・大腿は避ける)
  • 皮下注後は 揉まない(血腫防止)

⚠️ ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)
  • ヘパリン投与開始後 5〜14日 で血小板が50%以上低下、または10万/μL未満
  • 血小板減少にもかかわらず 血栓症 を合併する(白色血栓)
  • HITが疑われたら → 直ちにヘパリンを全て中止(ヘパリンロック・フラッシュも含む)
  • 代替抗凝固薬:アルガトロバン等

⚠️ 相互作用
  • 抗血小板薬(アスピリン等)・NSAIDsワルファリン:出血リスク↑
  • ニトログリセリン:ヘパリンの効果を減弱させる場合あり
🩺

看護師向け:観察事項

🩸 出血徴候の観察(最重要)
  • 明らかな出血:注射部位の出血・血尿・血便・黒色便・喀血・鼻出血・歯肉出血
  • 潜在的な出血:血圧低下・頻脈・腹部膨満・意識レベル低下(頭蓋内出血)
  • 皮下出血・紫斑・点状出血の有無
  • 手術後・カテーテル抜去後の出血持続に注意

🔬 検査値の確認
  • APTT:基準値の1.5〜2.5倍に維持されているか
  • 血小板数:HIT早期発見のため、投与開始後 4〜14日2〜3日毎に測定
  • 血小板が 50%以上減少 または 10万/μL未満 → 直ちに医師へ報告
  • Hb・Ht:低下傾向は潜在的出血を示唆

💉 投与ルートの管理
  • 持続静注時:輸液ポンプ を使用し正確な投与速度を維持
  • ルート接続部のゆるみ・漏れがないか確認
  • ヘパリンロック時の濃度・量の確認
  • 皮下注時:腹壁への投与、注射後は 揉まない

⚠️ HIT(ヘパリン起因性血小板減少症)の観察
  • 投与開始5〜14日後に特に注意
  • 血小板減少 + 新たな血栓症状(四肢の疼痛・腫脹・チアノーゼ等)の出現
  • 疑われたら → 全てのヘパリン投与を即座に中止(ヘパリンコーティングカテーテルも含む)

🦵 血栓症状の観察(ヘパリン使用の適応疾患として)
  • DVT:下肢の腫脹・疼痛・発赤・Homans徴候
  • PE:突然の呼吸困難・胸痛・SpO₂低下・頻脈
  • 抗凝固療法の効果判定のため継続的にモニタリング