トポイソメラーゼ阻害薬

トポイソメラーゼ阻害薬

① 薬効群の概要

DNAの“切断→再結合”を担う酵素(トポイソメラーゼ)を阻害し、DNA損傷を蓄積させて細胞死を起こす細胞障害性抗がん薬。Ⅰ阻害薬とⅡ阻害薬に大別される。
  • 代表的な有害事象:骨髄抑制(共通)、薬剤により 下痢(イリノテカン) などが重要
  • DNA損傷を介するため、他のDNA障害性薬剤と併用されることが多い(レジメン依存)

② 作用機序(主な分類)

  • トポイソメラーゼⅠ阻害薬:一本鎖切断の再結合を阻害 → 複製時に損傷が固定化
  • トポイソメラーゼⅡ阻害薬:二本鎖切断の再結合を阻害 → 二本鎖DNA損傷が蓄積

③ 代表薬

トポⅠ阻害薬

  • イリノテカン

    トポⅡ阻害薬

    • エトポシド
    • (関連)アントラサイクリン系もトポⅡ阻害作用を持つが、ここでは別群として扱うことが多い
     
    分類代表薬ポイント(例)
    トポⅠ阻害イリノテカン骨髄抑制に加え、遅発性下痢が重要(支持療法・脱水対策)。
    トポⅡ阻害エトポシド骨髄抑制が中心。レジメンにより粘膜障害など。

    ④ 観察・指導ポイント

    • 骨髄抑制:発熱(FN)、出血傾向、倦怠感
    • 下痢の観察(特にイリノテカン):回数・性状、水様便の持続、脱水兆候(口渇、尿量低下)
    • 口内炎/粘膜障害:疼痛、摂食低下(口腔ケア)
    • 悪心・嘔吐:制吐薬の使用状況、脱水予防
    ⚠️
    トポイソメラーゼ阻害薬は 骨髄抑制 が共通の重大リスク。発熱(目安:38℃以上)、強い倦怠感、出血兆候は早めに報告。イリノテカン使用時は 遅発性下痢(脱水・電解質異常)に特に注意。