キノロン系抗菌薬
- キノロン系抗菌薬(フルオロキノロン)は、細菌のDNA複製に必要な酵素を阻害する殺菌性抗菌薬
- 経口薬でもバイオアベイラビリティが高い薬が多く、呼吸器・尿路など幅広い感染症で用いられる
- 一方で重篤な副作用(腱障害、末梢神経障害、中枢神経症状、QT延長、大動脈関連など)が問題になり得るため、適応とリスク評価が重要
- DNAジャイレース(トポイソメラーゼII) および トポイソメラーゼIV を阻害
- DNAの複製・修復ができなくなり、細菌が死滅(殺菌)
- 耐性機序として
- 標的酵素の変異
- 排出(エフラックスポンプ)
- 透過性低下(ポーリン変化)
などが知られる
金属イオン(Mg/Al/Ca/Feなど)とキレートを形成して吸収低下し得る → 服用指導で重要。
| 薬剤例(一般名) | 主な用途(例) | ポイント |
|---|---|---|
| レボフロキサシン | 呼吸器感染、尿路感染など | 腎機能に応じた調整が必要なことがある(薬剤ごと) |
| シプロフロキサシン | グラム陰性桿菌(緑膿菌など)を想定する感染など | 適応・感受性に基づき使用。相互作用にも注意 |
| モキシフロキサシン | 呼吸器感染など(薬剤特性による) | QT延長に注意(薬剤ごとの注意事項を確認) |
- 腱障害:アキレス腱痛、腫脹、歩行時痛(特に高齢者、ステロイド併用など)
- 末梢神経障害:しびれ、疼痛、感覚異常
- 中枢神経:不眠、めまい、錯乱、けいれん(既往や併用薬でリスク)
- 不整脈:動悸、失神、めまい(QT延長〜TdP)
- 消化器症状:下痢(抗菌薬関連下痢、C. difficile を念頭)
- 相互作用/服用指導:
- 制酸薬(Al/Mg)、鉄剤、カルシウム、乳製品などで吸収低下(時間をずらす)
- 併用薬(QT延長薬、ワルファリン等)確認
重篤な副作用のリスクがあるため、軽症感染での安易な使用は避け、適応がある場合も症状出現時は早期に中止・相談(医師へ連絡)できるよう指導する。
- 抗微生物薬への耐性(AMR)
- 菌交代症/日和見感染
- QT延長