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G-CSF

G-CSF(顆粒球コロニー刺激因子)

① 概要

G-CSF(Granulocyte Colony-Stimulating Factor:顆粒球コロニー刺激因子)は、骨髄における好中球の分化・増殖・成熟を促進するサイトカインである。抗がん薬による好中球減少症の治療・予防に用いられる。

② 作用機序

  • 骨髄中の好中球系前駆細胞のG-CSF受容体に結合
  • 好中球の分化・増殖・成熟を促進 → 末梢血中の好中球数を増加
  • 成熟好中球の貪食能・殺菌能を増強
  • 好中球のアポトーシスを抑制し、寿命を延長
  • 骨髄からの好中球放出を促進

③ 代表薬

分類一般名先発品例特徴
短時間作用型フィルグラスチムグラン®遺伝子組換えG-CSF。連日皮下注または点滴静注
短時間作用型レノグラスチムノイトロジン®糖鎖付き遺伝子組換えG-CSF。連日投与
短時間作用型ナルトグラスチムノイアップ®糖鎖修飾型。連日投与
持続型(PEG化)ペグフィルグラスチムジーラスタ®PEG化により半減期延長。1化学療法サイクルにつき1回投与で済む

④ 適応

  • がん化学療法による好中球減少症(治療・予防)
  • 造血幹細胞移植時の好中球数の増加促進
  • 末梢血幹細胞の動員(造血幹細胞移植のドナーや患者から幹細胞を採取する際)
  • 再生不良性貧血・骨髄異形成症候群に伴う好中球減少症

⑤ 投与のタイミング

⚠️
抗がん薬投与と同時には投与しない。化学療法終了後24〜72時間以降に開始する。
理由:抗がん薬の作用中に骨髄を刺激すると、増殖中の前駆細胞が抗がん薬で障害され、好中球減少がかえって悪化する可能性があるため。
  • 短時間作用型:好中球数が十分に回復するまで連日投与
  • 持続型(ペグフィルグラスチム):化学療法終了翌日以降に1回皮下注射

⑥ 主な副作用

  • 骨痛・腰痛(最も多い):骨髄での造血亢進による → 鎮痛薬で対処
  • 発熱
  • 脾腫・脾破裂(まれだが重篤)
  • LDH・ALP上昇(造血亢進に伴う検査値変動)
  • 間質性肺炎(まれ)

⑦ 看護のポイント(観察事項)

  • 好中球数のモニタリング:定期的な血液検査で回復状況を確認
  • 骨痛の観察:痛みの部位・程度を評価し、必要時鎮痛薬を検討
  • 発熱の有無:G-CSF自体による発熱と感染による発熱を鑑別
  • 脾臓の異常:左上腹部痛・腹部膨満感の訴えに注意(脾破裂リスク)
  • 投与タイミングの確認:化学療法終了後24〜72時間以降であることを確認
  • 持続型は1サイクル1回投与のため、過剰投与に注意
  • 皮下注射部位の発赤・硬結の観察