血管内皮増殖因子(VEGF)阻害薬

血管内皮増殖因子(VEGF)阻害薬

① 薬効群の概要

VEGF-VEGFR経路を抑えて血管新生を阻害する薬剤群。がん領域(静注抗体/融合タンパク、経口VEGFR-TKI)と、眼科領域(抗VEGF硝子体内注射)で用いられる。
  • アプローチは VEGF中和(抗体/融合タンパク)と VEGFR阻害(TKI) に大別
  • クラス副作用として 高血圧・蛋白尿・出血/血栓・創傷治癒遅延 が重要
  • まれだが 消化管穿孔/瘻孔、PRES など重篤例に注意

② 作用機序

  • VEGF中和:VEGF-A等に結合し、VEGFRへの結合を阻害
  • VEGFR阻害(TKI):VEGFRの細胞内チロシンキナーゼ活性を阻害し、血管新生シグナルを抑制

③ 代表薬(例)

分類(例)代表薬(例)用途/ポイント(例)
抗VEGF抗体ベバシズマブがん領域で使用。血管新生阻害に伴う副作用に注意。
抗VEGFR2抗体ラムシルマブがん領域で使用。出血/血栓、蛋白尿などに注意。
VEGFトラップ(融合タンパク)アフリベルセプトがん領域/眼科領域で使用(製剤・適応で異なる)。
VEGFR-TKI(多くはマルチキナーゼ)アキシチニブ、パゾパニブ、スニチニブ、ソラフェニブ、レンバチニブ、カボザンチニブ、レゴラフェニブ など経口。HFSR/下痢なども出やすい。
眼科(硝子体内注射)ラニビズマブ、アフリベルセプト、ベバシズマブ適応・運用は施設/国・保険で差。

④ 観察・指導ポイント

  • 血圧:開始〜初期はこまめに(家庭血圧が有用)
  • 尿蛋白:定期的に確認(蛋白尿)
  • 出血/血栓:黒色便、血尿、喀血、突然の胸痛・片麻痺など(緊急)
  • 創傷治癒遅延:手術/抜歯/処置予定があれば事前共有(休薬計画)
  • 消化器:腹痛が強い/持続(穿孔・瘻孔疑い)、下痢・食欲不振(TKIで多い)
  • 皮膚(HFSR):VEGFR-TKIで注意(保湿・摩擦回避、重症は受診)
  • 相互作用:CYP3A4阻害/誘導薬、サプリ(セントジョーンズワート等)を含め確認(TKI)
⚠️
VEGF阻害薬は 高血圧・蛋白尿・出血/血栓創傷治癒遅延 が重要。黒色便/血尿/喀血など出血兆候、急な神経症状や胸痛は緊急性。処置・手術予定は必ず共有し、併用薬(OTC/サプリ含む)は相互作用を確認。