テトラサイクリン系抗菌薬

テトラサイクリン系抗菌薬

① 薬効群の概要

  • テトラサイクリン系抗菌薬は、細菌の 蛋白合成(30Sリボソーム) を阻害する抗菌薬
  • 一般に 静菌的に作用する
  • 非定型病原体(マイコプラズマ、クラミジア等)や、リケッチア、皮膚・軟部組織感染(MRSAの一部)などで用いられることがある(薬剤・地域・ガイドラインによる)
  • 代表薬として ドキシサイクリンミノサイクリン などがよく知られる

② 作用機序

  • 30Sリボソームに結合し、アミノアシルtRNAの結合を阻害 → 蛋白合成を抑制
  • 耐性機序として
    • 排出(エフラックスポンプ)
    • リボソーム保護蛋白
    • などが知られる
💡
金属イオン(Ca、Mg、Fe、Alなど)とキレートを形成し、吸収が低下し得る → 服用指導で重要。

③ 代表薬(分類と例)

薬剤例(一般名)主な用途(例)ポイント
ドキシサイクリン呼吸器感染(非定型カバー)、皮膚軟部感染、ダニ媒介感染症など光線過敏、食道炎(服用方法)に注意
ミノサイクリン皮膚感染、にきび、MRSAの一部などめまい(前庭障害)、色素沈着に注意

④ 看護のポイント(観察事項)

  • 消化器症状:悪心、腹痛、下痢
  • 食道炎/食道潰瘍:服用後すぐ横にならない、十分な水で服用(薬剤指導)
  • 光線過敏:日光で皮疹が出やすい(外出・UV対策)
  • 歯・骨への影響:小児・妊娠で原則避ける(歯牙着色、骨発育への影響)
  • 肝機能:肝障害の兆候(薬剤・背景による)
  • 相互作用
    • Ca/Mg/Fe/Al(制酸薬、鉄剤、乳製品など)で吸収低下
    • ワルファリンなど併用薬の確認
⚠️
妊娠・授乳・小児(特に歯の形成期)では禁忌/慎重の扱いになることが多い:適応がある場合でも、代替薬や専門判断を優先。

関連ワード

  • 抗微生物薬への耐性(AMR)
  • 菌交代症/日和見感染