サルファ薬

サルファ薬(スルホンアミド系)

① 薬効群の概要

  • サルファ薬(スルホンアミド系抗菌薬)は、細菌の葉酸合成を阻害する抗菌薬
  • 単剤では静菌的になりやすいが、トリメトプリム等と併用(ST合剤)することで葉酸代謝を段階的に阻害し、効果が増強される
  • 現在、臨床で代表的なのは ST合剤(スルファメトキサゾール/トリメトプリム)
  • 皮膚障害(薬疹〜重症薬疹)や血液障害、電解質異常などの副作用に注意

② 作用機序

  • 細菌は、核酸合成に必要な葉酸を自前で合成する
  • サルファ薬は PABA(パラアミノ安息香酸) と競合し、
    • ジヒドロプテロイン酸合成酵素を阻害 → 葉酸合成を阻害
  • トリメトプリムは、
    • ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR) を阻害
  • 併用(ST合剤)で葉酸代謝の二段階阻害となり、抗菌効果が高まる

③ 代表薬(分類と例)

分類薬剤例(一般名)主な用途・ポイント(例)
サルファ薬スルファメトキサゾール単剤より、トリメトプリムとの配合(ST合剤)で用いられることが多い
葉酸拮抗(配合)スルファメトキサゾール/トリメトプリム(ST合剤)PJP(ニューモシスチス肺炎)の治療/予防などで重要。高K血症などに注意

④ 看護のポイント(観察事項)

  • 皮膚障害:発疹、発熱、粘膜症状(SJS/TEN、DIHS等の重症薬疹に注意)
  • 血液障害:白血球減少、血小板減少、貧血(特に長期投与やハイリスク)
  • 腎機能:腎機能悪化、結晶尿(十分な水分摂取が重要な場面がある)
  • 電解質高K血症(トリメトプリムの影響)、低Na血症など
  • 肝機能:肝障害の兆候
  • 相互作用:ワルファリン(INR上昇)、ACE阻害薬/ARB/スピロノラクトン等(高K血症リスク)など
⚠️
ST合剤は「よく使うが副作用も多い」薬:皮疹(粘膜症状)、発熱、全身状態悪化、検査異常があれば早期に中止・相談。

関連ワード

  • 日和見感染(PJPなど)
  • 菌交代症
  • 抗微生物薬への耐性(AMR:葉酸代謝の迂回など)