アルコール
アルコール依存症の薬物治療
離脱症状の治療
| 薬剤 | 特徴 |
|---|---|
| ジアゼパム(セルシン®) | BZ系。離脱症状(振戦・けいれん・せん妄)の第一選択。GABAₐ受容体を介してアルコールの中枢抑制作用を代替 |
| ロラゼパム(ワイパックス®) | BZ系。離脱せん妄の予防・治療に使用 |
断酒補助薬(再飲防止)
| 薬剤(一般名) | 先発品例 | 作用機序・特徴 |
|---|---|---|
| ジスルフィラム | ノックビン® | 抗酒薬(嫌酒薬)。アルデヒド脱水素酵素(ALDH)を阻害 → 飲酒時にアセトアルデヒドが蓄積 → 顔面紅潮・悪心・嘔吐・頭痛・動悸(嫌悪反応)を起こし飲酒を抑制 |
| シアナミド | シアナマイド® | 抗酒薬(嫌酒薬)。ALDH阻害。ジスルフィラムと同様の機序 |
| アカンプロサート | レグテクト® | 飲酒欲求低減薬。NMDA受容体拮抗+GABA作用増強 → 興奮性・抑制性神経のバランスを回復 → 飲酒欲求を低減 |
| ナルトレキソン | レバビア® | 飲酒欲求低減薬。オピオイド受容体拮抗薬。飲酒による中脳辺縁系ドパミン遊離を抑制 → 飲酒の報酬感を減弱 |

看護のポイント
離脱症状の観察:
- 早期(6〜24h):振戦・発汗・不安・頭脈↑
- 中期(12〜48h):けいれん・幻覚(幻視)
- 後期(48〜72h):振戦せん妄 → 意識障害・高熱・致死的 → 緊急対応
抗酒薬使用時:
- ジスルフィラム・シアナミド:服薬中に飲酒すると 嫌悪反応(顔面紅潮・悪心・嘔吐・動悸・血圧低下)が起こることを患者に十分説明
- 飲酒していないことを確認してから投与(最終飲酒から少なくとも12時間以上)
一般的な観察:
- Wernicke脳症の予防:ビタミンB₁(チアミン)の補充。ブドウ糖投与前にビタミンB₁を先行投与(ブドウ糖単独でWernicke脳症を誘発・悪化させるリスク)
- 肝機能検査(γ-GTP・AST/ALT)の定期モニタリング
- 栄養状態の評価:葉酸・B₁₂欠乏による貧血
- 服薬アドヒアランス:断酒補助薬の継続的な服薬を支援