副交感神経

副交感神経:作用の概要

副交感神経とは

自律神経系の一部で、主に安静時(rest and digest)に、消化・排泄・回復・節約モードを促進する。

伝達経路(ざっくり)

💡
  • 起始:脳幹(III, VII, IX, X 脳神経)+仙髄(S2〜S4)
  • 節前線維:長い(臓器近くまで伸びる)
  • 節後線維:短い(臓器の近傍/壁内神経節から)
  • 伝達物質:節前・節後ともに主に アセチルコリン(ACh)

受容体(要点)

  • ニコチン受容体(N受容体):自律神経節(節前→節後のシナプス)
  • ムスカリン受容体(M受容体):標的臓器(節後→臓器)

ムスカリン受容体と作用(臨床でよく使う範囲)

受容体主な分布主な作用
M2心臓心拍↓、房室伝導↓(心臓を「休める」)
M3気道・消化管・膀胱の平滑筋、外分泌腺、眼平滑筋収縮(気管支収縮・腸管運動↑・排尿筋収縮)、分泌↑(唾液・気道分泌など)、縮瞳・調節(近見)

臓器別:何が起きる?(覚え方)

🩺
  • 心臓:M2 → 心拍↓(徐脈方向)
  • 気道:M3 → 気管支収縮+分泌↑(喘息/COPDでは問題になり得る)
  • 消化管:M3 → 運動↑・分泌↑(消化を進める)
  • :M3 → 縮瞳+調節(近くにピント)
  • 膀胱:M3 → 排尿筋収縮+括約筋弛緩方向 → 排尿促進
  • 腺分泌:唾液・涙・気道分泌↑(口渇の逆)

臨床で重要なポイント

  • 副交感神経が過剰になると:徐脈、血圧低下、気管支収縮、下痢、流涎、発汗など(コリン作動性の症状)
  • 副交感神経が抑制されすぎると:頻脈、口渇、便秘、尿閉、散瞳、せん妄(特に高齢者)など(抗コリン作用)
  • 副交感神経は薬剤の標的になりやすい(コリン作動薬抗コリン薬、AChE阻害薬など)