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オピオイド受容体拮抗薬

オピオイド受容体拮抗薬

① 薬効群の概要

オピオイド受容体(μ/κ/δ)を 競合的に遮断 し、オピオイド(モルヒネ・フェンタニル等)の作用を拮抗する薬剤群。ナロキソン はオピオイド過量投与時の呼吸抑制に対する 救急薬 として不可欠。ナルトレキソン はアルコール依存症の治療にも使用される。

② 作用機序

  • オピオイド受容体(主に μ受容体)に 競合的に結合 し、オピオイドアゴニストの作用を遮断
  • 受容体自体は刺激しない(固有の鎮痛作用はない)
  • オピオイドによる 呼吸抑制・意識低下・縮瞳 を拮抗

③ 代表薬

代表薬(一般名)先発品例特徴
ナロキソンナロキソン®注静注・筋注。オピオイド過量による呼吸抑制の 救急薬。半減期が短い(約30〜90分)→ 反復投与が必要 なことがある。線維筋痛の診断にも使用
ナルトレキソンレバビア®錠経口薬。半減期が長い(約4〜12時間)。アルコール依存症 の飲酒欲求抑制に使用(中脳辺縁系のドパミン遊離を抑制)。オピオイド依存症の再発予防にも

④ 看護のポイント(観察事項)

  • ナロキソン投与後の観察
    • 呼吸状態(呼吸数・SpO₂)の継続的モニタリング
    • 半減期がオピオイドより短い → ナロキソンの効果が切れた後に呼吸抑制が再発する可能性 → 反復投与や持続的観察が必要
    • 意識レベル・瞳孔径(縮瞳→散瞳への変化)
  • 急性離脱症状の誘発:オピオイド依存患者にナロキソンを投与すると、急性の離脱症状(嘔吐・下痢・発汗・筋痛・興奮)が誘発される可能性
  • ナルトレキソン使用時:肝機能検査(高用量で肝障害のリスク)
  • オピオイド鎮痛薬との併用禁忌:拮抗薬投与中はオピオイド鎮痛薬の効果が減弱される

ナロキソンとナルトレキソンの比較:

項目ナロキソンナルトレキソン
投与経路静注・筋注経口
半減期約30〜90分(短い)約4〜12時間(長い)
主な用途オピオイド過量の救急、線維筋痛診断アルコール依存症 の飲酒欲求抑制、オピオイド依存症の再発予防
注意点半減期が短く呼吸抑制が再発しうる → 反復投与・継続観察肝障害リスク。オピオイド依存患者では離脱症状誘発に注意

オピオイド過量時の三徴とナロキソンの使用:

オピオイド過量の三徴
  • 呼吸抑制(呼吸数↓、無呼吸)
  • 意識低下(傾眠〜昏睡)
  • 縮瞳(針先大の瞳孔:pinpoint pupil)
ナロキソンの使用
  • 0.4〜2mgを静注または筋注(2〜3分ごとに反復可)
  • 投与後も 最低2時間は呼吸状態を継続観察(ナロキソンの半減期 < オピオイドの半減期)
  • 特に フェンタニル・メサドン など長時間作用型オピオイドでは呼吸抑制の再発に要注意