フェンタニル
内服薬が無い理由)初回通過効果により代謝されやすいため、内服以外の投与経路
<経皮吸収型製剤>使用時の注意
⚠️ 警告(貼付部位の温度上昇)
- 貼付部位の温度が上昇すると フェンタニルの吸収量が増加 → 過量投与 → 死に至るおそれ
- 以下を避けること:
- 外部熱源への接触(電気毛布・電気カーペット・湯たんぽ・カイロ等)
- 熱い温度での入浴
- 激しい運動・サウナ
- 発熱時は患者の状態を十分に観察し、副作用の発現に注意
📋 貼付時の注意
- 貼付部位:胸部・腹部・上腕部・大腿部等の 平らな部位 に貼付
- 体毛がある場合は ハサミで除毛(カミソリは皮膚を傷つけるため不可)
- 同一箇所への繰り返し貼付を避ける(皮膚刺激を防ぐため、ローテーションする)
- 貼付前に貼付部位を清潔にし、乾燥させてから貼付する
- 貼付後は手のひらで 約30秒間 しっかり押さえて密着させる
♻️ 使用後の廃棄
- 使用済みパッチにもフェンタニルが残存 → 麻薬としての管理が必要
- 粘着面を内側にして折りたたみ、小児やペットの手の届かない場所 に保管
- 医療機関・薬局への返却・適切な廃棄が必要(麻薬帳簿への記載)
🔄 貼り替えのタイミング
- デュロテップMTパッチ/ラフェンタテープ:3日毎(約72時間)
- ワンデュロパッチ:1日(約24時間)毎
- 剥がれた場合は新しい製剤を貼付し、次回の貼り替え時間を再設定する
看護師向け:観察事項
🫁 呼吸状態(最重要)
- 呼吸数:10回/分以下は要注意 → 呼吸抑制の早期兆候
- 呼吸パターン:浅い呼吸・不規則な呼吸・無呼吸の有無
- SpO₂:持続的なモニタリングが望ましい
- 特に 投与開始時・増量時・発熱時 は頻回に観察
😴 意識レベル
- 過度の眠気・傾眠傾向の有無
- 呼びかけへの反応の変化(JCS・GCSで評価)
- 眠気 → 傾眠 → 呼吸抑制 の順に進行するため、眠気の段階で早期発見
💊 副作用の観察
- 便秘:排便回数・性状の確認(耐性が形成されにくいため継続観察)
- 悪心・嘔吐:投与開始後1〜2週間は特に注意(その後耐性が形成されることが多い)
- 眠気・ふらつき:転倒・転落リスクの評価と環境整備
- 掻痒感:掻きむしりによる製剤の剥離に注意
- 縮瞳:対光反射とあわせて確認
🌡️ 貼付部位の観察
- 発赤・かぶれ・水疱などの 皮膚トラブル の有無
- 製剤の 剥がれ・浮き・ずれ がないか確認
- 発汗の多い部位 への貼付は吸収低下の可能性あり
📊 疼痛アセスメント
- NRS(数値評価スケール)等で 定期的に疼痛を評価
- 安静時・体動時の痛みを区別して記録
- レスキュー薬の使用回数と効果の確認
- 痛みで眠れない・目が覚める等の 生活への影響 も聴取
⚠️ 過量投与の早期発見
- 以下の症状が出現したら 直ちに医師へ報告:
- 重度の呼吸抑制(呼吸数 ≦ 8回/分)
- 意識レベルの著明な低下
- 高度な縮瞳(ピンポイント瞳孔)
- チアノーゼ・血圧低下
- 拮抗薬:ナロキソン(ただし作用時間がフェンタニルより短いため、反復投与が必要な場合あり)
